アマスポーツ
2023/10/01 21:05

【高校ラグビー南北海道大会】憧れのリーチ追いかけるFWウアイセレが2トライ 札幌山の手が立命館慶祥に爆勝リベンジ

後半11分、トライを決めるウアイセレ(手前中央)(撮影・野沢俊介)

■全国高校ラグビーフットボール大会北海道予選(10月1日、札幌ドーム)
▽南大会決勝 札幌山の手64-5立命館慶祥

リーチと同郷のニュージーランド出身

 札幌山の手が去年の決勝で敗れた立命館慶祥にリベンジ。2年ぶり21度目の王座に返り咲いた。前半3分に、同校OBでW杯日本代表のリーチ・マイケル(34)と同郷のニュージーランドからの留学生FWハラ・ウアイセレ(3年)が先制点など2トライ。伝統の強力FW陣で札幌支部決勝に続き、ライバルを圧倒した。札幌山の手は12月27日に花園ラグビー場で開幕する全国大会に出場する。

黒田監督が就任2年目で初優勝 「目標はシード校撃破」

 昨年、佐藤幹夫監督(62)からバトンを受け取った黒田弘則監督(52)が就任2年目で初優勝。「やってきたことを全て出すっていうのが、今年の一つの目標だった。去年の卒業生の思いを一人一人が心に持ちながら戦ってくれた。最後の方は思うようにならなかったけれど、決勝でメンバーを入れ替えて、いろいろ経験させられたのは今後につながる。ただ、ここがスタート。彼らの目標は、シード校撃破ですので、やっとスタートラインに立てた。ここから、さらなるレベルアップをしていかないと。シード校と戦えば、また良い試合で終わってしまう」。悲願の目標達成へ、余韻に浸ることなくすぐに気を引き締めた。
 

選手たちに胴上げされる札山の手の黒田監督(中央)

 

開始3分にウアイセレが先制トライ

 181センチ、97キロ。相性は「セレ」。リーチの同郷の後輩が才能の片りんをのぞかせた。開始3分、敵陣の深い位置でラインアウトを得ると、FW陣のモール攻撃で押し込み、最後はウアイセレがゴールエリアに飛び込んだ。その後も、何度も同じような展開から攻撃を繰り返し、立命館慶祥の体力を削っていく。運動量が落ちた後半は7トライのラッシュで一気に突き放した。「優勝できて、とてもうれしい」と、流れる汗を拭った。
 

前半3分、トライを決めてチームメイトと喜びを分かち合うハラ・ウアイセレ(右)

 

フランカーで開花 昨年の悔しさ晴らす

 去年の敗戦は忘れられない。ウイングで出場したが悪天候でチーム全体にミスが続出。「去年は全然パスが回ってこなくて、ボールも触れなかった。負けて、めちゃ悔しかった」と振り返る。今年はフランカーに転向。「フランカーの方がボールをもって走れるので楽しい」と、性に合っているようだ。黒田監督も「彼だけが目立つようなラグビーじゃなくて、チーム全体としてのセレであってほしい。今日はインパクトでセレが抜けてきたので、良かったんじゃないかな」と目を細めた。

「リーチみたいになりたい」

 7月22日には札幌ドームで日本代表テストマッチがサモア代表を相手に行われた。当日は、同校ラグビー部を中心とした全校応援が行われた。リーチは前半にレッドカードで退場となったが、後輩たちには大いに刺激となった。ウアイセレは「リーチに憧れて山の手に来た。リーチみたいになりたい。めっちゃ大好き。リーダーシップとハードワークがある。将来は自分も日本代表になりたい」。高校生活最初で最後の花園で勝利に貢献し、自らの名を挙げてみせる。
 

胴上げで笑顔を見せるウアイセレ(中央右)と札山の手の黒田監督(中央左)

 

試合後、笑顔で記念撮影する札山の手の選手たち

 

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