冬季スポーツ
2021/10/23 14:36

沙羅 前人未踏5連覇

鮮やかな紅葉をバックに1本目のジャンプを披露する高梨(撮影・小田岳史)

■全日本スキー選手権ジャンプ 第1日(22日、札幌・宮の森ジャンプ競技場)

 ノーマルヒルが行われ、女子は高梨沙羅(25、クラレ)が合計236.1点で前人未到の5連覇を達成した。悲願の金メダルを目指す来年の北京五輪に向け、絶好のスタートを切った。男子は小林陵侑(24、土屋ホーム)が初優勝を果たした。

 冬シーズンの幕開けを告げる国内大会で、高梨が世界トップレベルの力を見せつけた。小雨が降るコンディションの中でも安定したジャンプを2本揃えて優勝。「天候、風が変わる状況の中で自分のジャンプはできた」とうなずいた。
 1本目は直前にゲートが2段下がった。「初めて」と1人だけ男子選手並の低いゲートでスタートしたが、K点(90メートル)を超える90.5メートルを飛び3位につけた。
 2本目は不利な追い風を受け、上位陣が飛距離を伸ばせない中、再び90.5メートル。数々の大舞台を経験し、培ってきた適応力の高さを示した。
 平昌五輪での銅メダル獲得に加え、昨季はW杯個人総合2位。スポンサーのレッドブルから“高梨モデル”のヘルメットが贈られた。個人モデルは世界でも限られた選手しか認められていない。自身のアイデアで山岳や雲、鶴が描かれており「鶴のように大きく羽ばたきたい。結果を残して恩返ししたい」と感謝の気持ちを胸に五輪シーズンに臨んでいる。
 あす24日には大倉山でラージヒルが行われる。「新しいヘルメットで見応えのあるジャンプができなかった。大倉山では良いジャンプを飛びたい」と力を込めた。(島山知房)

陵侑逆転V

 小林陵がトップと1.5点差で迎えた2回目に97メートルを飛んで逆転優勝=写真。「久しぶりのジャンプだったけど、良いパフォーマンスができたと思う」と納得の表情を見せた。18―19年シーズンでW杯個人総合王者に輝いた。代表入りすれば、北京大会はエースとして迎える2度目の五輪となる。「エースなりのプレッシャーもあると思うが、しっかり自分のパフォーマンスに集中してやっていきたい」。約3カ月半後の大舞台を見据えていた。

 

あわせて読みたい