ファイターズ
2023/03/12 19:35

上原 開幕ローテぐいっ 先発し4回を無四球の4安打1失点

女房役の伏見(右)とグータッチを交わす先発の上原(撮影・松本奈央)

■オープン戦 日本ハム4-2オリックス(3月12日、京セラドーム大阪)

二回に先制点を献上も後続きっちり 女房役の伏見とも好相性

 残り2つのイスをたぐり寄せる。日本ハムの上原健太投手(28)が12日、京セラドームで行われたオープン戦のオリックス戦に先発し、4回4安打1失点と好投した。四球を与えず、最少失点で切り抜けたことに意味があり「テンポとコントロールを一番気にしていた。細かい高さとか、修正は必要ですけど、全体的には良かった」と好感触を口にした。

 昨季までオリックスでマスクをかぶっていた伏見にリードを任せ、投球に集中した。二回に連打で先制点を許したが、慌てなかった。低めを突いてゴロを打たせ、後続を断った。「僕は要求されたところにコントロールすることだけを意識すればよかったので、楽に投げられた」

新たな引き出しも見いだした 建山コーチも絶賛「キャンプから見ていて一番の内容」

 四回には強打者の森に対して、初球にチェンジアップを選択した。これまでの引き出しになかった発想で「ボールになったんですけど、ここでチェンジアップかと。ありだな、これはちょっと面白い」と舌を巻いた。決め球にカットボールを使うケースも多く、新しい組み立てのパターンが見えた。

 先発として、着実に前進している。建山投手コーチは「すごく良かった。調子もブルペンから良かったし、キャンプからずっと見ていて一番の内容だったかな」と高く評価。先行きは明るく「(先発ローテは)上沢、加藤貴、伊藤、ポンセまで確定している。5、6番目を争う立場としては、十分アピールしてくれている状況ですね」と有力候補になっていることを認めた。

先発ローテ入りへライバル多数 8年目の飛躍へ「粘り強くやっていく」

 2月の春季キャンプから先発組に入っていた田中正がリリーフに回り、吉田は結果を残せず、2軍での再調整を命じられた。ほかに鈴木、根本、ガント、金村らが残り2枠を争う。候補は少しずつ、絞り込まれてきた。

 投打二刀流に挑戦しつつ、もともとの本職だった投手として、成長を示している上原。「開幕直前のこの時期まで先発で回ることは今までなかった。自分の立ち位置をつかみ取れるように何とか粘り強くやっていきたい」。入団8年目。誰もが認める潜在能力の持ち主が、殻を破ろうとしている。

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