■練習試合　楽天４ー８日本ハム（１９日、沖縄・タピックスタジアム名護）

プロは短期決戦ではない　上原に求めるのは「継続」

　投打とも見どころ満載の一戦となった。投手では上原が結果を示した。五回から登板し、３回を２安打無失点。六、七回は得点圏に走者を背負ったものの、決定打を封じた。恵まれた体格から投げ下ろす角度のあるボールには威力があり、変化球も多彩だ。

　ただ、首脳陣に驚きはなかったはずだ。状態が良い時の上原ならば、このぐらいの結果は当然のこと。彼に求められるのは「継続」に尽きる。私自身、２軍監督を務めていた頃、口を酸っぱくして彼に言ってきた。

　プロは短期決戦ではない。年間を通じた結果が求められる。それを安定感とも表現する。今回もそうだが、ボールが先行し、投球に苦しむ場面もあった。そこをどう乗り越えるかが、今後の課題となる。

長谷川にリリーバーの特性　相手打者の反応をまだまだ見たい

　もう一人は長谷川。４番手で登板し、１回を完璧に抑えた。投球フォームはゆったりとしていて「間」があるが、一方でテークバックは小さく、「間」がない。そこに来て、サイドから角度のあるボールを投げ込む。このメリハリがバッターにとっては厄介。打てそうだが、差し込まれる。

　終盤の七、八回。左打者が並ぶなら、「任せてみようか」と、なり得る可能性を秘めている。首脳陣も期待を膨らませただろう。こちらも「次」が大事。相手打者の反応をまだまだ見てみたくなった。

矢沢の身体能力と対応力は大したもの　楽しみでならない

　打者ではルーキーの矢沢。大したものだ。３安打に優れた対応力を見た。追い込まれてからのフォークへの対応、内角球へのアジャスト。なかなか教えてもできない技術だ。身体能力の高さも際立つ。あとは経験。楽しみでならない。