ファイターズ
2023/02/28 18:15

【道スポ評論家が直撃】⑤上沢直之 メジャー挑戦を決断 なぜ今オフか? 1年勝負の真意は?~開幕前特別企画~

企画のラストでは岩本氏が上沢を直撃。元エースと現エースがガチンコ対談だ

エースの責任、苦悩を知るガンちゃんが上沢の〝内角〟を攻めまくり

 日本ハムOBで道新スポーツ評論家の岩本勉氏(51)と鶴岡慎也氏(41)が沖縄・名護で春季キャンプを行う選手たちの本音に迫る特別企画。最終第5回は、ドラフト6位で入団し、叩き上げでエースへと上り詰めた上沢直之投手(29)が登場。昨オフの契約更改では米大リーグ挑戦の意思を表明した。なぜ、このタイミングだったのか―。決断の裏にある強い信念とは―。エースの責任、苦悩を知る岩本氏が直撃した。

 岩本氏(以下、岩)「直球インタビュー、よろしくお願いします。メジャー挑戦の決断について聞きたい。29歳。なぜ、このタイミング?」

 上沢(以下、上)「僕はそもそも、入団した時からアメリカへ行きたいという希望はなかったです。大きなケガもあって、日本のプロ野球でしっかりと成績を残すことしか考えていませんでした」

 「なぜ急に」

 「日米野球に出たあたりで、少しアメリカの野球、海外の野球が気になりだしました。あとはファイターズに来ている外国人選手と話すうちに、自分が外国人選手として野球をするのは、どんな感じなんだろう?と想像するようになりました。僕らは外国人選手として彼らを見ているけど、僕が向こうへ行ったら外国人選手としてやらなければいけない」

 「不思議な感覚やね」

 「野球だけじゃなくて生きていく上で、人生の中で、すごく大事な学びがあるのではないかなと」

今季目標は180イニング&防御率2・50以下

 「僕も全く同じ感覚で野球留学へ行った。昔、ファイターズはヤンキースと業務提携していたから。うちにはマット・ウインタースとかいたけど、どんな感じやろ?と思って行ったら、これまた仰天。外国人扱いされない。アメリカでは」

 「移民の国ですもんね」

 「そう。枠がないからみんな外国人。ただアジアから来た、というだけ。1990年代前半はちょっと珍しがられたけど、今なら、おまえも日本から来たのか―という感じだと思う。球団にポスティングを容認してもらうためにも、今シーズンはどんな成績を」

 「吉村さん(チーム統括本部長)とか、球団の方と話をして、いろんな方に応援してもらえるような成績で行くのが一番良いと。今まで以上に長いイニングを投げて、防御率とか、全ての成績において一番良い成績を残して行きたいです」

 「キャリアハイ。具体的には何イニング?」

 「180イニングは去年からずっと言っています。防御率は2・5以下」

元F戦士のメジャーリーガーからも刺激 ダルビッシュや大谷ら

 「スーパーな成績だね」

 「そうなれば、勝ち星もおのずと付いてくると思っています」

 「打線との兼ね合いはあるけど、15勝以上は見込める。球団の容認をもらってアメリカへ行くという選択に至る過程で、ファイターズからメジャーに移籍したダルビッシュ、大谷、有原の影響はあった?」

 「ダルビッシュさんはかぶっていないですけど、3人がアメリカで投げる姿をニュースとか中継で見る機会が増えたのは、一つのきっかけかなと思います」

 「今や世界一。ダルビッシュの投手能力は。世界一勢いのある選手は、大谷かもしれない。身近な選手だからね」

 「同じ球団に所属していた先輩と、一つ年下の後輩。(メジャーに)だんだんと興味が湧いてきました」

来年節目の30歳 「全盛期に行ってしっかり勝負したい」

 「身近で成功している選手がいれば、『俺だって』と思うのは当然のこと。その意思を表明した時に、今年ダメだったら諦める、勝負の1年になると。1年勝負にこだわるのは、なぜ?」

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