アマ野球
2023/02/21 06:00

ジャイアンツカップ3位の札幌新琴似シニア 過去最多9人が道外高校へ野球留学

昨年のリトルシニア日本選手権と中学硬式日本一決定戦のジャイアンツカップで4強に入ったメンバーの9人が道外の強豪校へ進む。前列左から髙井、藤田、平井、田村、鳴海。後列左から加藤、山田、嶽石、尾角(撮影・西川薫)

中学硬式野球の全国大会2度3位

 昨夏、中学硬式のリトルシニア日本選手権と全日本中学野球選手権ジャイアンツカップで共に全国3位の札幌新琴似シニアの3年生28人中9人が、甲子園出場経験のある道外強豪高校に合格した。

エース山田遼太は健大高崎へ

 札幌新琴似〝最強世代〟から、過去最多となる9人が海を渡る。これまで日本選手権とジャイアンツカップのどちらかで準優勝した世代はあったが、両大会共に3位以内に入ったのは初めて。準決勝2試合で先発マウンドを任されたエース・山田遼太投手(札幌屯田中央中3年)は「3位に入ったけど、悔しい気持ちの方が大きかった。チームに流れを作れていなかった。本当に悔しい」と、全国トップレベルの打力を痛感。「小学校2、3年生の頃から道外の高校へ行きたかった」と群馬・高崎健康福祉大高崎で巻き返しを図る。

主砲・鳴海柚萊は山梨学院

 主砲の鳴海柚萊外野手(札幌八条中3年)は山梨学院。「全国の強いチームは、北海道と違って外野にバンバン打球が飛んできた。北海道の高校は甲子園で打力負けしている」と2年連続の選抜甲子園出場校へ。「高校ではもう一回、投手に挑戦したい。ストレートが得意なのでガンガン三振を取れるようになりたい」と強豪で厳しいポジション争いを勝ち抜く決意だ。

 不動の1番打者だった、加藤大成遊撃手(札幌福井野中3年)は、山田と共に高崎健康福祉大高崎へ進む。「小さい頃から甲子園を見てきて、機動破壊に憧れていた。高校では5割打って、選球眼を大事にして、得点をとるために出塁できれば。体は小さいけど、飛距離には自信がある。走力は高校で磨きをかけたい」と目標を掲げた。

日本航空山梨には3人

 日本航空山梨には最多3人が進学する。山梨学院にも2人が進むため、高校では甲子園をかけたライバルとして激突する。日本航空山梨に合格した、髙井大輔外野手(石狩花川中3年)は「野球に集中できる環境で、凡事徹底を大事にしてる。この3人で甲子園に行きたい」と、山梨学院に進むチームメートに早くも火花を散らす。少年野球では捕手だったが腰椎分離症のため中学では外野手。いまは症状も癒え「捕手に挑戦する」と再びプロテクターを身に付け扇の要を目指す。

尾角凌は京都国際

 昨夏、甲子園に出場した京都国際に進むのが、尾角凌内野手(札幌北栄中3年)。京都国際の新3年生には、札幌新琴似で2学年先輩の小林春輝内野手がいる。ポジションも同じ遊撃。昨夏の甲子園でプレーする姿をテレビで見た尾角は「小林さんへの憧れもあって。京都国際は守備が堅くて打撃もある。自分は守備が得意。雪がなくて一年中野球ができる。甲子園で日本一になりたい」と関西の強豪で腕を磨く。

 3年間指導した生嶋宏治監督(62)も新天地へ旅立つ子供たちに期待を寄せた。「元々、道外志向の高かった子供たち。北海道の子はレベルが高いし、素材がいい。また親元を離れて人間性も成長できる。人間としても大きくなってもらいたい」。2年後の夏、灼熱の甲子園で躍動する教え子たちの姿が、いまから楽しみだ。


 守 選 手 名  (出身中学)  投打  身長・体重
【群馬・高崎健康福祉大高崎】
 投 山田 遼太(札幌屯田中央)左左 169・66
 内 加藤 大成(札幌福井野) 右左 166・68
【日本航空山梨】
 外 髙井 大輔(石狩花川)  右右 168・75
 内 藤田  塁(札幌発寒)  左左 170・85
 外 平井 湊人(札幌宮の丘) 左左 176・75
【山梨学院】
 内 田村颯丈郎(札幌白石)  右右 168・85
 外 鳴海 柚萊(札幌八条)  右左 175・80
【京都国際】
 内 尾角  凌(札幌北栄)  右右 175・63
【青森山田】
 内 嶽石皓太郎(札幌北都)  右左 170・62

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