ファイターズ
2021/10/07 15:37

上沢自己最多タイ11勝 二回以降二塁踏ませず

二回以降、相手打線に二塁を踏ませない力投を見せた(撮影・松本奈央)

 ■日本ハム3-2オリックス(6日、京セラドーム大阪)

 これがエース!上沢が救った! 日本ハムは6日、敵地でオリックスと対戦し、3―2で勝利。負ければ優勝の可能性が完全消滅する危機を先発した上沢直之投手(27)が救った。先制点こそ許したが、二回以降は二塁を踏ませない圧巻投球を披露した。同点で迎えた七回に西川遥輝外野手(29)の犠飛などで勝ち越しに成功し、上沢は7回1失点で自己最多タイの11勝目を挙げた。また、栗山英樹監督(60)が就任10年目の今季限りで退任することが、6日までに分かった。

猛牛キラー発揮!「すごくうれしい」

 エースはやっぱり頼りになる。負ければリーグ優勝の可能性が消滅する一戦で、上沢が“猛牛キラー”ぶりを存分に発揮した。

 2018年から続くオリックス戦の連勝を「8」に伸ばし、キャリア最多に並ぶ11勝目をマーク。「僕も本当にこの試合は勝ちたいという思いで臨んでいましたし、チームが一つになってつかんだ勝利なので、すごくうれしいです」とニッコリほほえんだ。

 3年ぶりの2桁勝利を挙げた前回から中11日での登板。「いつもより間隔が長くて、少し緊張した」。一回、紅林の左中間適時二塁打で先制点を許したが、ここで崩れないのがエースだ。

 二回以降はストライク先行で、二塁すら踏ませない圧巻の投球を披露。150キロ超えの直球と多彩な変化球を交え、勢いに乗るオリックス打線を7回3安打1失点に封じた。

 18年の自己最多に並ぶ11勝目。後半戦だけで5勝と、シーズン終盤に入って調子を上げている。転機となったのが、後半戦初戦となった8月14日のソフトバンク戦。負けはしたが、試行錯誤していた投球フォームが「あの試合から完全にハマった」と手応えを得た。

 その投球フォームは、憧れの人からお墨付きをもらった。10勝目を挙げた9月24日のソフトバンク戦後、米大リーグや巨人で活躍した上原浩治氏が自身のツイッターで上沢について「理想とするフォーム」と投稿。「あんな有名な方に僕のことを認知してもらえただけでありがたい」と大感激した。

 小学生時代には巨人のエースだった上原氏の下敷きを購入。当時、上原氏が使用するグラブのウェブに描かれた投球フォームのシルエットに「かっこいい」と憧れを抱いていた。それだけに「ぼくなりにいろいろ考えてやっている。それを褒めてもらえたのはうれしい」と大きなモチベーションになった。

 この試合でシーズンの規定投球回に到達。次に見据えるのは、プロ10年目で勝利数のキャリアハイ更新だ。

 「自分の野球人生の中で、1番いい成績が残せるようにと今年が始まったので、もっともっと勝てるように頑張ります」。背番号15は日に日に頼もしさを増している。

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