宮西が球団史上最大額2億円ダウン「もう一度、八回を、信頼を」新球場で返り咲く

5000万円プラス出来高、単年契約でサイン
2年契約の最終年だった日本ハムの宮西尚生投手(37)が11日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸2億5000万円から減額制限(1億円以上は40%)を大幅に超え、球団史上最大の減額となる2億円減の5000万円プラス出来高の単年契約で更改した(金額は推定)。チーム最年長の鉄腕サウスポーはプロ16年目の来季へ再起を誓った。
シビアな現実受け入れ「球団に感謝です」
14年の武田久(1億6000万円減)を上回る球団史上最大減俸。宮西は淡々とした表情でシビアな現実を受け入れた。
「自分が経営者の立場なら、こんなヤツにこんな払えないと思いますし。ショックはもちろんありましたけど、今年の除夜の鐘とともにその気持ちはなくなるでしょう」と苦笑い。「あの成績で契約してもらえることがありがたい。球団には感謝です」と頭を下げた。
プロ入り後、初めての苦悩を味わった。「監督が求める登板の仕方に肘がついていけなかった」。15年目の今季は24試合の出場にとどまり、入団から続けていた50試合登板の記録が「14年」で途切れた。
「新球場で野球をしているところを見たい」愛息の言葉に発奮
「引退」の2文字も頭をよぎったというが、息子から電話越しに「新球場で野球をしているところを見たい」と熱望され翻意。9月に「もう一回勝負させてほしい」と、水がたまる状態だった左肘のクリーニング手術に踏み切った。
術後2カ月が経過し「もうリハビリの過程は終了している」と順調そのもの。「90%ぐらい」の力でキャッチボールするまで回復している。
復活を期す来季へ、明確な目標もある。前人未到の通算400ホールドにあと「20」と迫っており「新球場で達成したいですし、優勝ももちろんしたい」。セットアッパー返り咲きへ「やるからにはもう一度、八回を、信頼を取り戻さないといけない」と鼻息が荒い。
「来年はラストチャンスの気持ちでやらないといけない」。数々の修羅場をくぐり抜けてきた男が、このままで終わるはずがない。