興梠、シャビエルの去就注目

　横浜Ｍが川崎を勝ち点差２で振り切り、Ｊ１優勝を果たした。昨季得点王の前田が移籍したが、的確な補強を敢行。誰が出てもクオリティーが落ちないチーム力はさすがだった。ＤＦ岩田がＭＶＰに選出されたのも横浜Ｍの安定性を証明している。

　札幌は最終戦で、清水との打ち合いを４―３で制した。他クラブの結果次第では８位まで浮上する可能性もあった。今季は１０位でフィニッシュ。終盤、勝ち点を重ねて盛り返した。

　川崎戦（４―３）を思わせるような劇的勝利を飾った清水戦。Ｊ２降格を阻止しようと、清水が死に物狂いで向かってくることは分かっていた。ＦＷシャビエルのゴールで先制も、１―２と逆転された。それでも、そのまま終わる雰囲気は全くなかった。

　今の札幌にはビハインドをひっくり返す力がある。打ち合いを仕掛けられる勢いがあるとも言えるだろうか。裏目に出る時もあるものの、今は守備を含めて前に出る意識が共有されており、逆転が可能になっている。

　この試合も青木が２点を決めて今季チーム最多の８得点。Ｊ１残留の立役者となった。ゼロトップで可変的な戦い方を選択せざるを得ない札幌にあって、青木がハマってくれたのは、うれしい誤算だった。

　青木の８得点は素晴らしい。一方で、ほかの前線の選手の数字は物足りない。来季、ＦＷ興梠やシャビエルがいなくなる可能性もある。横浜Ｍのように簡単ではないが、的確な補強が必須だ。