冬季スポーツ
2022/09/19 23:25

アルペンスキー大越がスキークロス参戦 二刀流で世界選手権目指す

スキークロスとの二刀流という新たな挑戦に挑む大越(提供写真)

 アルペンスキー界のトップアスリートで倶知安町出身の大越龍之介(33、東急リゾーツ&ステイ)が今季からスキークロスに参戦し、アルペンとの二刀流に挑む。来年2月のスキークロス世界選手権出場を目標にベテランが新たな道を切り開く。

北京五輪落選後引退よぎるも「まだ成長できる」

 スキー界の二刀流として勝負をかける―。アルペンで世界選手権に2度出場。スキークロスでも出場となると日本人初の快挙となる。大越は「出場枠は4人。今季はコンチネンタルに出場して、経験と実績を積みながら世界選手権を目指したい」と意欲を口にした。

 アルペンでは目標にしていた五輪出場に手が届かなかった。北京落選後、一時は引退も頭をよぎったが、心は折れなかった。「まだ成長できると思いましたし、スキーで生き残るためにこだわらず何でもやる」と誓い、スキークロスへの挑戦と、その両立を決断した。

 欧米を中心に爆発的に人気が高まっている競技の魅力を「まずは見る人が楽しい。やる方もジャンプやウエーブがあって技術が必要だし、複数で滑るので駆け引きがあって楽しい」と話す。昨季最終戦の4月の全日本選手権では初出場で5位。「スタートには自信があるし、自分に向いている」と思ったという。

当面はスキークロスに重点「まず二刀流でどれだけできるか試す一年」

 6月にスキークロス全日本強化指定選手となり、7月に東北合宿。今月23日からスイス合宿に入り、10月いっぱいまで雪上練習を行う。11月20日からはオーストリアを皮切りにコンチネンタル杯など世界を転戦。「まず二刀流で自分がどれだけできるか試す一年」と、当面はスキークロスに重点を置き、アルペンは来年2月から国内主要大会の出場を予定している。

 「五輪というより一年一年が勝負」と言うが、結果を出せば悲願も近づく。ベテランが選択した大胆な歩みがたどり着く場所はどこか、興味は尽きない。

■プロフィール

 大越 龍之介 (おおこし・りゅうのすけ) 1988年11月29日、倶知安町生まれ。173センチ、84キロ。2歳の時からスキーを始め、小学3年時、「ニセコ花園レーシング」に入団。倶知安中学2年時に全国中学の大回転、3年時に回転、大回転で優勝。東海大四高(現東海大札幌高)2、3年時に高校総体の回転、大回転で優勝。東海大札幌4年時に世界選手権初出場。W杯では2018年1月スイス大会で19位。家族は妻と3人の息子。

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