野村「脇腹はもう全然大丈夫」 復帰後2戦連続無安打も完全復活へ準備着々
■イースタン 日本ハム6-1楽天(11日、鎌ケ谷)
今季90試合で.278も「レギュラー獲りきれなかった」
左脇腹肉離れからの完全復活を目指す野村佑希内野手(22)が11日、2軍楽天戦で復帰2戦目に臨んだ。「4番・DH」で先発し、2打席に立って無安打。復帰後はまだ快音を響かせることができず、「感触は良くはないですね。球も見えていないというか、タイミングも取れていないですし、ちょっとまだまだだなっていう感じです」と課題が浮き彫りになった。それでも「脇腹はもう全然、大丈夫です」と患部の状態は良好だ。
8月20日のソフトバンク戦で左脇腹を痛め、22日に肉離れと診断を受けた。当初は試合出場まで6週間かかる見込みだったが、回復が順調に進み、9月9日の2軍楽天戦で実戦復帰。今季中の1軍再昇格も視野に「最後にしっかりアピールして、来年の頭からレギュラーでいけるようにできたら」と新球場が開業する来季へと視線を飛ばした。
今季は負傷前まで90試合に出場し、打率.278、32打点、6本塁打をマーク。打線の主軸を担うことも多かった。しかし、自己評価は厳しい。「大した成績は残せていない。4年目でもっとすごい成績を残している人もいる。やっぱり物足りない。今年はレギュラーを獲りきれなかった」と悔しそうに振り返った。
リハビリ期間に打撃改良 長打力不足「見直す時間になった」
主砲候補が特に課題としたのが、長打力不足だ。「今年ずっと思っていて、シーズン中はなかなか変えることもできずにいた。ちゃんと見直す時間にはなった」と離脱中に自身の動画などを見返し、修正ポイントを整理。「(打席での)踏み込みが弱い。今年は体の開きが早くて、手で頑張って当てにいったりとか、そういうところが長打がなかなか出ない原因になっていると思った。やり直さないと」とリハビリとともに打撃改良にも励んできた。
プロ入り後は、けがに泣かされ続けてきた。1年目の19年には左股関節後方亜脱臼の大けがを負い、翌20年は7月7日のオリックス戦で右手小指を骨折。21年4月にも左膝打撲による関節炎で離脱し、今春のキャンプでは左足首を捻挫した。他にも死球を受けての鼻骨骨折や新型コロナ感染による球宴出場辞退も経験。自身も「もう多すぎて」と苦笑いだ。
それでも、諦めるわけにはいかない。「そこ(けが)に勝たないとレギュラーを獲れないので、向き合っていくしかない。練習も私生活も、いろいろ見直しながら乗り越えていかないといけない」。球界を代表する大打者になるポテンシャル秘めた22歳。苦い経験の全てを糧に、何度でもはい上がってみせる。