ファイターズ
2022/09/04 22:30

《岩本勉のガン流F論》王道の攻めに緩急、強弱、テンポ加えた〝加藤ワールド〟で圧倒

六回を終え、野手に声をかける加藤

■日本ハム8-2楽天(4日、楽天生命パーク)

リズムの良い投球で好守生まれる好循環

 先発の加藤が完璧な投球を披露した。変化球は低く丁寧に、ストレートは大胆に。一番、オーソドックスな攻め方で楽天打線を翻弄した。そこに緩急、強弱、そしてテンポも加わった。まさに加藤ワールド全開。楽天打線もお手上げだろう。

 リズムが良ければ、好プレーも生まれる。堅守がいくつかあった中、慣れない一塁で出場した杉谷が味方のファインプレーをお膳立てした。顕著だったのが八回1死でのプレー。俊足の西川が放った中堅に抜けそうなゴロを遊撃手の上川畑が好捕し、すかさず送球。ボールは若干、右翼方向にそれたが、杉谷が体を目いっぱい伸ばしてアウトにした。

 杉谷はあらゆるポジションを経験してきた。あの体勢で捕球したならば、送球が乱れる可能性がある―と予測できていたからこそのカバーリングだった。

点差を生かしての継投 輝星は登板の意味を悟って

 継投にも言及したい。八回を終えて8―0。ベンチはこの点差を最大限に利用した。前日、リリーフに失敗している玉井と吉田を送った。悪いイメージを払拭させる狙いがあったはずだ。玉井は浅村を四球で歩かせたが、前日に敬遠している島内を二飛に封じた。

 一方の吉田は2つの押し出し四球を与えた。登板の意味を悟ってもらいたい。理解できないならば、担当コーチや監督に「僕は何を求められたんですか?」と問うてもいい。それだけ意味のあるマウンドだった。(本紙評論家)

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