ファイターズ
2021/09/25 14:36

上沢3年ぶり10勝目 配球ズバリ今季最多11奪三振

ヒーローインタビュー後、10勝ポーズをする上沢(撮影・桜田史宏)

■日本ハム4-1ソフトバンク(24日、ペイペイドーム)

これぞエースだ! 日本ハムの上沢直之投手(27)が24日、ソフトバンク戦に先発し、今季最多11三振を奪う快投を見せ、8回を3安打1失点に抑えて自身3年ぶりとなる節目の10勝目を挙げた。ペイペイドームでは3試合連続無得点だったが、五回にロニー・ロドリゲス内野手(29)の4号ソロで40イニングぶりの得点を奪うと、終盤にも女房役・清水優心捕手(25)の2ランなどで加点し、4―1で勝利。2連勝を飾った。

 みんながエースでいい―。そう言っていつも謙遜する上沢だが、この日に見せた姿はまぎれもなくエースの投球だった。
 今季最多11三振を奪い、8回3安打1失点の力投でチームトップの10勝目。3年ぶりの2桁勝利を達成し、「いろいろ辛いこともあったし、周りの家族だったり、ぼくのことを支えてくれている裏方さんのおかげかなと思います」と感慨にふけった。
 最速151キロをマークした直球と多彩な変化球を織り交ぜて圧巻の投球を披露した。七回まで許したのは内野安打わずか2本。2点リードの八回にソロ本塁打で1点差に詰め寄られたが、最少失点にとどめてエースらしく踏ん張った。
 選手生命を脅かす19年の左膝骨折を乗り越え、節目の勝利に到達。今でも深く曲げると感じる患部の痛みと戦っている。
 さらに後半戦に入ってからは6試合連続で100球以上投げ、疲れがピークに達するタイミング。そこで疲労回復に取り入れているのが、寝る前に聴くヒーリングミュージックだ。眠れない夜に心が落ちつく波の音を流し、7時間以上の睡眠を確保している。
 もう一つの癒やしは、19年に誕生したまな娘の存在だ。札幌ドームの登板の際には、パパの応援に駆けつけてくれる。上沢が投球中に泣いてしまうこともあり「(球場が)静かだから聞こえるんです」と苦笑いするが、戦う姿を「子供の記憶に残しておきたい」と大きなモチベーションにも変えている。
 シーズン終盤に調子を上げ、18年にマークした自己最多11勝の更新も見えてきた。「一年間、投げさせてもらっているので、2桁(勝利)は絶対したいと思っていた。一つでも勝ち星を増やして、キャリアハイを狙って頑張りたい」
 勝利のたびに受け取るウイニングボールは毎回、愛妻にプレゼント。一球一球、箱に入れて自宅に飾ってくれている。
 前回登板16日の西武戦で節目の通算50勝目に達し、「10年かかって50勝。このペースだと200勝するのに40年かかります。60歳です」と自虐した。でもまだ27歳。上沢家のコレクションはこれからも増えそうだ。

■データBOX 今季3度目の2桁奪三振

上沢が8回を投げ、11奪三振で3年ぶりの2桁勝利に花を添えた。今季は8月14日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)、同31日のオリックス戦(札幌ドーム)の各10奪三振に続く今季3度目の2桁奪三振。通算では6度目となり、最多は2018年9月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の8回完投(敗戦投手)で奪った14三振。

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