高校野球
2022/07/27 23:35

札大谷が甲子園メンバー発表 引退から一転 3年・宮田が涙の抜てき

一度は夏のメンバーから外れ、裏方をしていた札大谷の宮田だったが、南大会後に甲子園メンバーに抜てきされ、再調整に意気込む(撮影・西川薫)

 全国高校野球選手権南北海道大会の初制覇から一夜明けた札大谷が27日、8月6日の開幕へ向けて約1時間半ほど軽めに練習した。甲子園のメンバー発表も行われ、一度引退して裏方に回っていた公式戦未登板の左腕・宮田夢羽雅(むうが)投手(3年)が背番号18でメンバー入りした。チームは同2日に大阪入りし、3日の抽選会に出席する。

公式戦登板0回で6月から裏方に

 終わったはずの高校最後の夏が、宮田の元に舞い戻ってきた。午前中にメンバー入りが告げられると、「とてもうれしいです。ずっと昔から夢の舞台。まだ本格的な練習はしていないですけど、頑張って間に合わせます」と目を潤ませた。

 支部予選前の6月12日、宮田はメンバー外になった3年生同士で行われる引退試合のマウンドに立っていた。春の支部予選はメンバー入りも新型コロナの陽性判定を受け、「背番号を後輩に託して悔しい思いをした」。夏こそはと努力したがメンバー漏れ。それから心に踏ん切りを付け、打撃投手を務めるなどチームの裏方にまわっていた。

 ところが夏にベンチ入りした菊地大一投手(1年)のコンディションが上がらず、船尾隆広監督(51)はメンバーの入れ替えを決断。南大会4強入りを決めると、宮田ともう一人を呼び出し、「気持ち的なところをもう一回、つくれるか。もし優勝したら二人のうち、どちらかが入る可能性がある」と告げた。宮田は準決勝が行われた25日、再び練習を開始した。

船尾監督も甲子園起用示唆「短いイニングなら可能性ある」

 持ち味はスリークオーター気味の角度から繰り出す130キロ中盤の直球とスライダー。船尾監督も「短いイニングなら可能性はある」と甲子園での起用を示唆している。

 中学時代の札幌東リトルシニアでは、28日に新潟県大会決勝を戦う帝京長岡のエース・茨木秀俊投手(3年)とチームメートだった。26日には同期のグループLINEで「決勝もガンバレ!」とエールを送った。「甲子園で会えれば投げ合ってみたい」と宮田。少し伸びた髪を再び刈り込み、夢舞台に挑む。

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