アマスポーツ
2022/07/10 23:55

御家瀬 世陸へ視界良好 女子4×100リレー、アンカーで好タイム

4×100メートルリレーの日本代表応援レースで4走を務めた御家瀬(手前)。日本記録にも自信を見せた

■南部忠平記念陸上(10日、札幌厚別公園競技場)

 世界陸上(15日開幕、米・オレゴン州)に出場する女子4×100メートルリレー日本代表が、男女混合で行った「応援レース」に出場。初代表の御家瀬緑(21、住友電工、恵庭北高出)がアンカーを務め、43秒67の好タイムをマークした。

「日本記録を軽く出せるチームにしたい」

 日の丸のユニホームをまとった御家瀬がエースとして思い出の厚別競技場で快走した。「ずっと走っていた競技場なので気持ちは入りましたね。日本記録ぐらいは軽く出せるぐらいのチームにしていきたい。本番では42秒台を目指していく」と、メンバーの中心的存在としてチームをまとめる。

 札幌太平南小6年の時、道ハイテクACジュニアの門を叩いた。そこで、福島を育てた名伯楽・中村宏之氏(77)に才能を見いだされた。恵庭北高2年時に初出場した2018年の日本選手権女子100メートルで11秒74で4位入賞。同年のアジア大会で、高校生ただ一人の日本代表に選ばれ、短距離リレーメンバーに入った。全国高校総体女子100メートルでは、道勢11年ぶりに優勝を果たした。

高校時代にスターダムを駆け上がるも卒業後は不振

 翌年はさらに飛躍した。織田記念で高校歴代2位の11秒54をマーク。日本選手権では29年ぶりに高校生女王に君臨。また全国高校総体では、史上9人目、道勢初の2連覇を達成。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、スターダムを駆け上がった。しかし、恵庭北高を卒業し、20年春に社会人入りしてからは、けがや、コロナ禍などで主要大会で思うような成績を残せなかった。それだけに今季に懸ける思いは強い。

 春から調子を上げてきた。4月の織田記念で優勝すると、6月の日本選手権準決勝では自己ベストタイの11秒46をマークし、3位で3年ぶりの表彰台にあがった。9日の公式練習と、この日の2本のリレーではバトンワークを中心に確認。「もらって走るだけなので、本当に自分の走りに集中できる。詰まり過ぎず遠過ぎず、良かった。ぎりぎりを攻めなきゃいけないので、これから微調整をしていきたい」

福島さんから〝バトン〟受け取る

 元女王からの〝バトン〟を受け取った。2本目のスタート前、引退セレモニーを終えた福島千里さんから「御家瀬、頑張れー!」と声をかけられた。「ここ1、2年が女子短距離界のターニングポイントになる。それぞれが先陣を切ってやっていくぞ!という気持ち」。いよいよ今月に世界デビューする若き道産子スプリンターが、日本をけん引する存在へと飛躍を遂げる。

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