伊藤大海が今季2度目の完封! 球界のエース・由伸に投げ勝ち1カ月半ぶり白星
■日本ハム5-0オリックス(2日、札幌ドーム)
日本ハムの伊藤大海投手(24)が2日、札幌ドームで行われたオリックス戦で今季2度目の完封勝利を飾った。4四球と制球に苦しむ場面もあったが、決定打を封じて5安打でシャットアウト。昨季、沢村賞に輝いた山本由伸投手(23)に初めて投げ勝った。チームは2連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。
3万人超える観客の声援力に「すごくやる気でた」
志願して臨んだ九回のマウンドで、伊藤の体は悲鳴を上げていた。直前の投球練習中に「右脚がつりかけた」。思うように投げられない中、今季ホーム最多となる3万223人の歓声が後押ししてくれた。2死二、三塁のピンチを招いたが、「脚がつりきってもいい」。最後は安達を147キロの直球で二ゴロに仕留め、マウンドで、えくぼがくっきり浮かんだ。
球界のエース・山本に投げ勝ち、5月20日の西武戦以来の白星を完封で飾った。「一球一球の拍手だったり、これだけ人が入った札幌ドームで投げたのは初めてだった。すごくやる気が出ましたし、力に変わった。皆さまのおかげで取れた勝利かな」と感謝した。
1学年下だが「リスペクトしている」という山本と今季2度目のマッチアップ。「(相手が)防御率1点台なので、勝つなら完封しかない」と覚悟していた。強い気持ちを胸に、スコアボードに「0」を並べた。
ソフトバンクのエース・千賀と投げ合った5月13日に続く完封劇となったが「勝負として投げ勝った感じはない」と満足していない。4四球と制球に苦しむなど本調子とは言えず。「いい勉強になりました。もっと僕がマウンドから(相手投手を)苦しめられるようになっていきたい」と決意を新たにした。
憧れの存在・ダルビッシュからのエール励みに
苦しい日々を乗り越えた。6月2日の広島戦で右すねに打球が直撃。出場選手登録を抹消され、1カ月半ほど白星から遠ざかった。球団OBで憧れのダルビッシュ(米大リーグ・パドレス)が音声配信アプリを通して発してくれた言葉が励みになった。
前回登板した6月25日のソフトバンク戦前に、大先輩が配信する「stand.fm」を視聴。コメントを送ると「伊藤投手、頑張ってください」とエールが届いた。「うれしかったですね」と感激。「何とか勝ちたかったんですけど…先週の分は取り戻したということで」と結果で応えた。
女性ファン2万人も自虐「手越さんを見に来ているんですね」
この3連戦は「FIGHTERS GIRLS SERIES 2022」として開催され、アーティストの手越祐也が登場。来場の女性ファン2万人に特別ユニホームが配られ、球場は華やかなムードに包まれた。
「僕と由伸を見に来ているんじゃなくて、手越さんを見に来ているんですね」と自虐しつつ「また、次も来ていただけたら完封します!」と宣言した。最後までマウンドに立ち続けた背番号17の姿は、ファンのハートをワシづかみにしたはずだ。