ビッグボスに初勝利を届ける！ 日本ハムの上沢直之投手（２８）が、きょう２９日に行われる西武との本拠地開幕戦（札幌ドーム）に先発する。新庄剛志監督（５０）から重圧のかかるマウンドを託されたエース右腕は、平常心で臨むことを強調。登板前の〝験担ぎ〟をこなし、開幕３連敗スタートを喫したチームに今季初白星をもたらす。

　新庄ビッグボスが「世界初の試み」というサプライズ演出を予告しているホーム開幕戦。注目度ナンバーワンの一戦で、先発を務めるのは、やはりこの男・エース上沢だ。

　１月中に指揮官から「やんわり言われていた」と登板日を示唆されていた。「正式に言われたのは１、２週間前。理由はいろいろあるんですけど、『札幌ドームで投げさせたい』と言われました」と内幕を明かした。

　泰然自若で臨む。先発準備で開幕セレモニーに参加できないこともあり「いつも通り、何も変わることなく、普通に投げられたらいい。特別な試合という感じで投げないようにします。それが大事」と気負いはない。

　指揮官の指令に応える覚悟だ。開幕３連戦では投手陣を総動員する小刻みな継投を見せ、２７日の試合後には「上沢くんがビシッと１２回、投げてくれると思う」とニヤリ。上沢自身も「長いイニングをしっかり投げられることを見せないとダメ」と最後まで投げきるつもりでいる。

　〝験担ぎ〟もバッチリだ。今年の勝負パンツは、「ターコイズブルーのなかにピンクっぽい色も入っている」花柄のものを用意。夫人が選んでくれた愛情たっぷりの下着をはき、球場入りする。

　そして体に塩を擦り込む開幕前のルーティンで身を清める。「毎年、家の玄関を出る前に、体に塩をまいています」。１９年に左膝の大けがを負い、２０年のシーズン開幕から続けている恒例の儀式で、いざ出陣だ。

　自身２度目の開幕投手を務めた昨季は、楽天戦で五回途中６失点ＫＯ。いつも以上に力が入ってしまったというが、今季は例年にない手応えがある。

　「今まで、あまり状態が良くない時に開幕している感じがあった。ここ最近の中では、今が一番思ったように投げられている」。準備は万端だ。昨季チーム最多の１２勝を挙げた頼りになるエースが、新庄ビッグボスに初勝利をプレゼントする。

新庄ＢＩＧＢＯＳＳ　ド派手パフォーマンスに注目

　何が起きるのか？！　新庄監督が、本拠地開幕に合わせて繰り出す「前代未聞」「世界初」の試みに触れた。詳細は明かさなかったが「見ていたら分かる。これを世界に発信しまくっていきたい」と不敵に予告した。

　派手な登場となったソフトバンク戦（２５日、ペイペイ）の開幕セレモニーはメジャーでも話題になった。２９日はさらにスケールアップした内容になるそうで「（反響は）アメリカを越え、ヨーロッパまでいくかな（笑）。楽しみにしておいてください」と呼びかけた。

　２５日の開幕戦を中継したＳＴＶの視聴率は、世帯が過去２位タイの２６・５％、個人が歴代最高の１７・４％だった。本拠地開幕戦はＵＨＢが中継。夕方情報番組「みんテレ」の枠も拡大し、午後３時４５分からファイターズ応援スペシャルを放送する。ビッグボス率いるチームの注目度は、高い。