ファイターズ
2022/03/27 13:25

4番起用に応えた 清宮超BIG弾

まさに完璧! 清宮は九回1死から右翼席中段に特大の1号ソロを放つ(撮影・桜田史宏)

■日本ハム3-6ソフトバンク(26日、ペイペイドーム)

 これぞ4番弾! 日本ハムの清宮幸太郎内野手(22)が26日、敵地で行われたソフトバンク戦に「4番・一塁」で先発出場し、九回に2020年10月25日・楽天戦(楽天生命)以来となる1号ソロを右翼席中段に運んだ。新庄剛志監督(50)から直接指導を受けるなど、打撃改革に取り組んでいる若き大砲候補が今季初出場で大きな結果をはじき出した。試合は3―6で敗れ、今季初カードを負け越したが、清宮の一撃など最終回の粘りは次につながる攻撃となった。

開幕カード負け越し

 まさに打った瞬間、これぞ「アーチスト」と言っていい打球だった。清宮が九回1死、カウント3―1から藤井の149キロを迷わずフルスイング。右翼席中段に突き刺さる一発を、“師匠”の柳田は一歩も動かず見送った。

 1軍戦517日ぶりの一発で“有言実行”を果たした。このオフの自主トレでは柳田に弟子入りし、開幕戦で本塁打を放つことを宣言。「まさか言った通りにギータさんの(頭)上に打てると思ってなかった。開幕戦ではなかったですけど、自分にとっては今日が開幕戦。良かったかな」とはにかんだ。

 予感はあった。四回の第2打席ではファウル判定となったものの、右翼ポール上方に放つ大ファウル。試合中には一塁上で柳田から「状態が良さそうだから自信持っていけ」と励まされ、「(その通りに)打席に入りました」と臨んでいた。

 新庄ビッグボスの4番起用にも応えた。前日の開幕戦は出番がなしに終わったが、指揮官は「昨日の感じを見て4番でいったろうかな」と決断。「雰囲気が良かった。あと打った後がカッコいい。メジャーリーガーみたい」と絶賛し「明日は4番、ファースト清宮君!」とはやくも予告した。

 昨季は1軍出場なしに終わり、勝負の5年目シーズン。清宮の周囲には気に掛けて、手を差し伸べくれる人たちがいる。オープン戦期間中には新庄監督と稲葉GMが、身ぶり手ぶりを交えて直接指導。「日々、そういうアドバイスをして頂いているおかげかなと思います」と感謝する。

 レジェンドからの助言もあった。前日の練習中には、早実高の大先輩でソフトバンクの王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーにあいさつ。「ボールをもっと長く見られるよう、本来の相手との駆け引きだったり、球の軌道とかを意識してみたらどうだ」と声を掛けられた。

 チームは開幕2連敗スタートとなったが、ファン待望の一発が飛び出した。歴代最多とされる高校通算111本塁打を誇る清宮のモットーは「ホームランは正義です」。背番号21には美しい放物線がよく似合う。

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