ファイターズ
2022/03/04 14:26

名スカウト 今成さん逝く

練習前に選手スタッフらが今成スカウトに黙とうを捧げる(撮影・小田岳史)

 日本ハムは3日、チーム統轄本部スカウト部の今成泰章スカウトが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症のため、埼玉県朝霞市の病院で2日に死去したと発表した。66歳だった。この日の試合前には選手、スタッフらが集まり、黙とうをささげた。新庄剛志監督(50)、上沢直之投手(28)らが早すぎる死を悼み、冥福を祈った。

試合前に黙とう

 名スカウトの突然の訃報だった。東京都出身で駒大卒業後に阪神のスカウトとなった今成氏は、2003年から日本ハムに加入し、ダルビッシュ、大谷、上沢、加藤、野村らを担当した。鋭い観察眼を持ち、粘り強く交渉する姿勢は「マムシ」と称された。スカウト生活は44年を数えた。

 2月は春季キャンプ地の沖縄を訪れ、精力的に活動していたが、容体が悪化し、帰らぬ人となった。この日3日は、札幌ドームの大型ビジョンに生前の写真が映し出され、全員で黙とうした。取材に応じた新庄監督は「タイガースの時から、今成さんを知っていて『おまえは必ず、1軍でスターになれるからしっかりやっていけよ』と、声をよくかけてもらって」と温かい人柄に触れた。

 現エースの上沢も才能を見いだしてもらった選手の一人だ。「本当に注目される投手ではなかったし、周りの評価も高くなかった。その中で僕を拾ってくれて、推してくれた」と敬意を表した。同様に加藤も「はじめの印象はちょっと怖い人かなと思ったが、プロに入れたのは今成さんのおかげ。感謝の気持ちを持ってやっていきたい」と表情を引き締めた。

 育成とスカウティングを強化の柱に掲げる日本ハムの功労者だった。新庄監督は故人を偲び「今成さんの魂というものを、スカウトの方たちは学んでいると思うから、生かしてほしいですね」と願いを込めていた。

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