コンサドーレ
2026/07/29 12:00 NEW

《こぼれ球》けがをしても変わらない田中の前向きマインド

 

 大好きなサッカーができない苦しさを悲観することはなかった。北海道コンサドーレ札幌MF田中克幸は今年5月、右ハムストリングの肉離れを負った。思うようにプレーができない時間を過ごしながらも、前向きに話す姿勢が印象的だった。記者自身も数年前まで陸上競技を専門に取り組み、度重なるけがに苦しんだ経験がある。自分自身が思い通りにいかない現実と向き合う難しさを知るからこそ、興味をひかれた。

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 「やっぱりサッカーができなくなったら、サッカーをすごくしたいなと思いました。そこに向けてどれだけ自分と向き合えるか考えました。落ち込んでも正直何もないですし、その先どうなりたいかを考える時間にしていました」。プレーをできない時間をマイナスに捉えるのではなく、自身を見つめ直す期間へと変えた。体の状態だけではなく、これまでのプレーや考え方を整理し、小さな目標を積み重ねながら復帰への道筋を描いた。

 現在は全体練習にも復帰し、少しずつ実戦感覚を取り戻している。「まだ全然フルで戦える体というところからすると、まだまだな部分もあります。けがから復帰して、対人という相手がいる中でプレーするのが2カ月ぶりくらいになっているので。時間とともに慣れて感覚が戻ってくると思うので、その感覚をいち早く取り戻せるように意識しています」。焦りはない。そこには続けてきた準備への自信がある。

練習後、笑顔を見せるMF田中=撮影・斉藤成美

 

 「交代浴とか疲労回復に努めながら、あとは食事と睡眠をしっかり取る。めちゃくちゃこだわってやっているわけではないですけど、そこはしっかりやっています」。特別なことではなく、日々の当たり前を積み重ねる。その中の一つが、以前から好きだというサウナだ。「寮にいた時はほぼ毎日入っていました。寮を出た今は行ける時に行くくらいですけど」。以前ほど頻繁に通うことはできなくなったが、限られた時間の中で汗を流し、心身をリフレッシュする時間にしている。 

 8月8日の徳島戦で迎えるリーグ開幕へ向け、田中は着実に前に進んでいる。武器である左足を磨くことも、体を整えることも、すべては大好きなサッカーを最高の状態で続けるためだ。一つ一つを積み重ねながら、再びピッチで躍動する日を迎えようとしている。楽しそうに笑顔でプレーしている姿を見た記者は「準備」の大切さを改めて感じさせられた。

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