ファイターズ
2022/02/03 14:16

武井壮臨時コーチ熱血指導 新庄BIGBOSS革命第1弾

臨時コーチに招いた武井壮(左)と握手を交わす新庄ビッグボス

 ビッグボス革命だ。日本ハムの新庄剛志監督(50)が2日、キャンプ地の沖縄県名護市で臨時コーチを招いた“課外授業”を開始した。この日は陸上選手でタレントの武井壮(48)が訪れ、主力組へ走塁を指導。中学で短距離日本一になった五十幡亮汰外野手(23)はマンツーマンで極意を学び、飛躍のヒントをつかみ取った。また、フラフープを的にした送球テストや、映像付き投球マシンを用いた打撃練習も実行。斬新な手法を駆使し、強化に乗り出した。

門外不出の走塁テク披露に「感謝しかない」

 野球の走塁コーチとはひと味違う。走りを極めてきたスペシャリストの理論や経験則は、新鮮だった。「百獣の王」の異名を持つ武井は発信力のあるタレントだが、かつて陸上十種競技で日本一になっているトップアスリート。指導の様子を熱心に見つめた新庄監督は「武井君が自分のテクニックを表に出したのは、今回が初めてらしい。本当に感謝しかない」と最敬礼した。

 選手への愛情が詰まった熱いメールに突き動かされた武井は臨時コーチ就任を受諾し、名護で初めて新庄監督と対面したという。この日は午前と午後で2時間ずつ、講義を担当した。手の振り方や足の上げ方など、手本を見せながら丁寧に解説。走力アップに効果的な練習法も伝授した。

 指揮官から「球界で一番走れて一番機動力があり、けがせず、ずっと試合に出られる選手にしたい」と伝えられていた五十幡には、延長個別指導を行った。けがをしにくいトレーニング法や、コーナリングの技術などを惜しみなく披露した。

 元陸上選手の共通点がある五十幡は「新しいことも聞けて、再確認したこともあった。すごくためになった」と納得の表情。教わった練習を今後も継続していくつもりで、「野球界で一番速いのは五十幡だ、と言ってもらえるような走りをみなさんに見せたい」と意気込んだ。
 選手は普段以上に目を輝かせ、陸上の専門的な知識や動作に強い関心を示していたという。新庄監督はほれ込んでいた人物とのコラボが実現し「あとは選手が教わったことを毎日やって結果を出し、武井君を喜ばせる―というふうになれば」と期待に胸を膨らませた。

 予告していた臨時コーチ第1弾は、手応え十分の内容だった。「今度は体の違う箇所とか意識をさせるプロフェッショナルに何人か来てもらう。やっぱり、野球選手、OBじゃない方が、選手は飽きないかな」とニヤリ。長いキャンプ期間を有効利用し、従来の枠組みにとらわれない、攻めのアプローチでチームに刺激を与えていく。(榎本真之)

ビッグボス流練習法さく裂 バーチャル藤浪にフラフープ送球!?
 打撃練習にも新庄流だ。ビッグボスの要望で、この日からフリー打撃に最速150キロを誇る最新の投球マシン「ユーティリティーエース」が導入された。変化球も自在に操り、値段は500万円。阪神・藤浪、ソフトバンク・モイネロ、そして現役時代の新庄監督が投げている映像を表示することができる。

 この日は約145キロ、映像は藤浪に設定され、杉谷、松本剛、野村、上川畑を相手に“快投”。93球を投じて安打性の当たり9本に抑え、19個の空振りを奪った。

 守備練習には、フラフープの輪を通して遠投を行うメニューを組み込んだ。強く低い球を正確に投げるよう意識づけ、要求通りの送球を見せた五十幡には賛辞を贈っていた。走攻守、全てにおいて、ビッグボス改革が着々と進行している。

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