【月刊コンサドーレ6月号】荒野拓馬インタビュー「帰ってきた聖地でつかんだ勝利」《赤黒の肖像》
文=斉藤宏則 写真=江本秀幸、溝口明日花
25日の発売前に、途中まで読めます
道新スポーツデジタルでは、毎月発行されている「月刊コンサドーレ」の記事の中から一部を抜粋し、発売に先がけて公開します。今回は5月25日に発売される6月号からMF荒野拓馬(33)のインタビュー「赤黒の肖像」を紹介。記事の途中までですが、購入前の参考にしてください。
荒野拓馬が感じた〝変わらないもの〟
約3年ぶりに公式戦が行われた〝聖地〟札幌厚別公園競技場。勝利以外は許されないというムードの中で、北海道コンサドーレ札幌は粘り強く戦い、松本を相手に2-1の勝利を収めた。なぜ厚別は特別なのか。なぜこの場所では力が湧くのか。クラブ一筋で歩んできた荒野拓馬が自身の記憶をたどりながら、その理由を静かに語る。
『厚別では何かが起きる』
―約3年ぶりの厚別開催となった4月18日の第11節で松本に勝利。あらためて勝利の感想を聞かせてください。
久しぶりに厚別で試合をするにあたり、チームの中に「厚別では絶対に勝たなければいけない」という雰囲気が漂っていました。前節の甲府戦前の取材では、「勝って次の試合に挑まなければいけない」と話していた選手もいましたし。在籍年数の長い選手ほど、厚別で試合ができる楽しみがある一方で、勝たなければいけないというプレッシャーもあったのかもしれません。ここ最近、コンサドーレに加わった選手たちも、そうした選手たちの様子を見て「厚別での試合は特別」ということを感じ取っていたと思います。
こうした中、サポーターの方々が〝聖地〟と呼ぶこの一戦を、必ずしも内容は満足いくものではありませんが、結果として勝利したことは本当に良かったですし、うれしかったです。

―試合後の選手たちが一様に「内容よりも結果が大事な試合だった」と発していたのが印象的でした。
チーム内の雰囲気もそうでしたし、メディアの皆さんも「聖地・厚別での試合」と気持ちを高める報じ方をしてくれていた。そして、今年はクラブ創設30周年を迎え、そうしたタイミングでコンサドーレにとっての〝特別な場所〟である厚別での試合を3年ぶりに迎えるわけですから、勝利以外は許されない。そのくらいの気持ちで僕らは戦っていましたし、スタンドからも同じ雰囲気が伝わってきました。
今季から就任した川井(健太)監督も試合前に「この厚別で試合をするという意味をしっかり理解して戦おう」といった言葉を選手にかけたほどでしたから、ここでの試合が特別であるというムードがチーム全体にどんどん浸透していきました。
試合は同点とされた直後にこちらがPKを獲得して決勝点を奪ったわけですが、厚別だったからこそ、選手は失点後に下を向くことなく、すぐに相手ゴールに迫ることができた。それも勢いよく攻めたため、相手のファウルが生まれたと思います。PKを獲得した時は、「やはり厚別では何かが起きるんだな…」と感じました。多少、ラッキーな部分もありましたから、スタジアムの雰囲気が僕らに味方してくれたのかなと。

この記事の続きは月刊コンサドーレ6月号で! 購読はコチラへ
月刊コンサドーレのバックナンバー記事の一部を「note」で無料公開中
■プロフィール 荒野拓馬(あらの・たくま) 1993年4月20日生まれ、札幌市出身。身長180センチ、体重76キロ。札幌の下部組織で育った〝生え抜き〟であり、12歳でクラブのアカデミーであるU-15に加入。以降、U-18を経てトップチームへ昇格し、プロキャリアをスタートさせた。攻守に運動量豊富なミッドフィルダーとしてチームに定着し、複数ポジションをこなすユーティリティー性も武器に出場機会を重ねて、J1昇格やクラブの躍進を支える中心選手の一人へと成長。プロ通算得点の中でも、厚別では印象的なゴールを重ねており、〝聖地〟との縁も深い。