ファイターズ
《ハム番24時》12月24日
11月半ば、エスコンで自主トレ中の郡司に話を聞いていた。まだこの時点では、FA権を行使した松本剛、石井の去就が不透明だった。当然、チームメートとして動向を気にしていた。何か、察することはあったのかもしれないが「あまりいない世代じゃないですか。ファイターズは30歳ちょっとの選手が少ないので。あの2人に抜けられると僕がベテランの域に入って、一気に扱いが変わってしまう。まだそこには行きたくない。なんとか粘ってほしい」と冗談を交えながら残留を希望していた。
2023年6月にトレードで中日から移籍してきた。入団会見の席上で「松本剛さんをすごくリスペクトしている」と明かしていた。オフの自主トレで偶然、居合わせて、一日だけ合同練習。そのときに優しく接してもらい、感謝していた。
仲間になっても当時の印象は変わらなかった。右も左も分からない状況で、石井と松本剛ら中堅世代が溶け込みやすいように配慮してくれたという。「2人ともめちゃくちゃ面倒を見てくれました。(石井)ピンさんは仲良くしゃべってくれる兄貴みたいな感じ。剛さんは面倒見のいい兄貴という感じ」。郡司は弟目線で、先輩を慕っていた。
関東から北海道へ引っ越す際には、新生活に合わせて人やお店を紹介してもらうこともあり、公私でお世話になったそう。だから、個人の幸せを願う気持ちもあった。「僕は残ってほしいですけど、本人たちはいろいろあると思う。何が正解か、分からないですから」。限られた現役生活を悔いなく、全うするためには、どうすればいいのか―。選手同士にしか分からない心情、葛藤がある。