Fドラ1・明大の大川慈英 タイブレークに屈して神宮大会は初戦敗退「力不足」
八回から登板した明大の大川=撮影・中川明紀
■明治神宮野球大会第3日(11月16日、明治神宮野球場)
▽大学の部準々決勝 立命館大7-2明治大
立ち上がりの2回をパーフェクトも…
最後は、力尽きた―。日本ハムからドラフト1位指名を受けた大川慈英投手(4年、明大)は、同点の八回に3番手でマウンドへ。九回までは完璧な投球を見せていたが、タイブレークとなった延長十回に5失点を喫し、大学野球最後の試合を終えた。
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八回、満を持してマウンドに上がった大川は〝リリーフ専門職〟としての貫禄を示した。初球からフルスロットル。スピンの効いた151キロ直球を2球連続で決めるなど、連続奪三振で立ち上がると、九回まで打者6人を寄せ付けなかった。
しかし、暗雲が立ちこめたのは延長十回だった。無死一、二塁から始まるタイブレーク。最初の打者の犠打を処理した大川は一塁へ悪送球し、あっさりと失点。1死満塁からは高めに甘く入った145キロ直球を捉えられ、左翼越えの適時三塁打を浴びた。
タイブレークの延長十回1死満塁、立命大の川端に適時三塁打を浴び、悔しがる明大の大川
敗戦を背負い込んだドラ1右腕
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「精度的にはど真ん中高めですし、ああいうことをしていると打たれて失点する。その前のバント処理エラーからですけど、本当に自分の中で悪い流れができていた」。秋のリーグ戦では最長で2イニングの登板だった。今回は2イニングに加えてタイブレークという厳しい展開も重なったが、大川は言い訳をせず「力不足」と受け止めた。
明大での4年間。ドラフト1位でプロ入りするまで成長したが、結果には納得していない。「大学野球を振り返ると、自分の中では全然、良い思いができなくて、やっと春に少し結果が出て、秋のリーグ戦は良かったんですけど、やっぱりここで最後、また打たれて負ける。最後ぐらいは笑って終わりたかったんですけど、そこは次に切り替えていくしかない」
タイブレークの末に敗戦し、頭を抱えて引き揚げる明大の大川(中央)
目指すはプロでの大飛躍
この悔しさを糧に、さらなるバージョンアップを期す。「打たれた球は精度がもう1つ2つ足りない。どんな場面でも、どんな状況でも、どんな相手でも自分のピッチングを貫けるという、そういう精度をしっかり付けていきたい」
猛者の集う舞台で、大川慈英の名を刻む。本当の勝負は、ここからだ。
八回、立命大の川端から三振を奪い、ほえる明大の大川