秋季キャンプ最終日の全体練習メニューを終え、打ち上げの手締めを行うために選手、スタッフがグラウンドのダイヤモンド上を移動していたとき、突如観客席から大きな歓声が上がった。何かと思って球場のビジョンを見上げると、そこには笑顔の池田が映し出されていたのだった。「あざっす、という感じです（笑）。みんな応援してくれているな、と感じました」と、その瞬間を笑顔で振り返っていた。

　なぜ池田に対して歓声が上がったのか。明確な理由は定かではないが、記者の想像するところでは、キャンプメンバーに名を連ねながらも、ここまでなかなか姿を現してくれなかったことも、一つの要因だったのではないだろうか。先月２３日からスタートした秋季練習にも初日から参加していたが、時々ベンチに姿を見せるものの、グラウンド上に立っていたのはほんのわずかな時間。キャンプに突入しても、記者が見ていた限りでは、全体練習の中には参加していなかったようだった。「７時ぐらいに（球場に）入って、朝イチで動いて、という感じで。で、やることをやって帰る、という感じですね」と、期間中の舞台裏を明かしてくれた。

　今季は６月下旬に登録を抹消されて以降、１軍復帰を果たせないままシーズンが終了。「最後上がれなかったので。すみません、という感じでした」。エスコンでの最後の登板が同月１４日の広島戦だっただけに、ファンも元気な姿を見ることを待ち望んでいたはずだ。「まずは体のところをリセットして、キャンプに万全な状態で入れるように、という感じです」。復権を目指す来季、背番号５２がエスコンのマウンド上での躍動で、再びファンからの大歓声を浴びるシーンが見たい。