日本ハム育成1位の常谷拓輝 第2の〝ひろとら〟結成に意欲
日本ハム育成1位の常谷(左)と江別市の後藤市長が笑顔で巨大しゃけまるを抱える=撮影・西川薫
高校2年まで過ごした江別市
日本ハムから育成1位指名を受けた北海学園大の常谷拓輝(ひろき)内野手(21)が30日、江別市役所を表敬訪問した。
ドラフト後、伏見寅威捕手(35)が江別一中の先輩であることを知り、第2の〝ひろとら〟でチームをもり立てていくことに意欲を見せた。
江別市の後藤市長(右)を表敬訪問した北海学園大の常谷(中央)と島崎監督
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地元のちびっ子球児に勇気を
江別出身者のNPB入りは、昨年のドラフトで阪神から育成指名を受けた早川太貴投手(25)に続いて2年連続となる。道産子内野手が日本ハムから指名されるのは2002年の池田剛基(鵡川)さん以来23年ぶりで2人目だ。
後藤好人江別市長(65)から「今、江別で少年団の野球をやっている子どもたちがたくさんいます。中学校でも野球をやっている子がたくさんいます。そういった子たちが憧れるような選手になってほしい」とエールを送られた。常谷は「まずは支配下を勝ち取って1軍へ、そして江別市全体に勇気を与えるような選手になれるように頑張りたい。応援よろしくお願いいたします」と活躍を誓った。
プロでは「二遊間にこだわってやっていきたい」
札幌静修高では二塁手と投手の二刀流。元女子校で敷地内に専用グラウンドはなく、かつてのプールを室内練習場に改装するなど、練習環境は決して恵まれたものではなかった。その中で二刀流でを貫き、3年春に全道4強入り。北海学園大では最速144キロの投手として同期で最初に白星を挙げた。
守備では遊撃をメインに、三塁や一塁も難なく守れる。「内野で勝負したい。二遊間はずっとやってきたので、二遊間にはこだわってやっていきたい」。名手がしのぎを削る二遊間で、生き残りを目指す。
同席した北海学園大の島崎圭介監督(54)も期待を込めた。「打撃の方で注目されているんですけど、なんといっても肩が強い。(プロは)打球スピードが速いですから、それに対する反応、ハンドリングとか、そういったところさえ、しっかり対応できるようになったら、十分やれると私は思っている」
札幌静修高で投手としても活躍していた常谷
憧れの先輩を質問攻めにするぞ!
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今は札幌市内の祖母の家に住んでいるが、実家は江別市内にある。伏見は千歳市生まれだが、幼少期から中学までを江別で過ごした。2人とも高校から札幌の私立に進んだ。ドラフト後、常谷のインスタグラムには、知人や友人のほかにも、ファイターズファンからも祝福メッセージが届けられた。「寅威さんと一緒の中学っていうのもそこで知った」
二刀流でプレーしてきた常谷は、以前から伏見を投手目線で見て、憧れを抱いていた。「キャッチング含め、自分的にはすごい好きなキャッチャー。野球で成功する秘けつだったり、長い野球人生を送れるためにはどうしたらいいかとか、生き残っていくために聞けることがあれば、どんどん聞いていきたい」と弟子入りを熱望した。
6月20日の中日戦、完封勝利し、笑顔でハイタッチする〝ひろとら〟コンビの伏見(左)と伊藤
2軍本拠地の誘致を目指している地元江別市
今、江別市は日本ハムの2軍本拠地誘致に力を入れている。後藤市長は「それに弾みをつけてほしい。常谷選手がそこで練習して、1軍に上がっていく。そういった姿を思い浮かべるだけで、すごくワクワクするような気持ち。ぜひとも活躍をして、夢のある選手になってほしい」
常谷も江別に2軍が移転したことを思い描き「自分の友達だったり親戚の方だったり、江別に住んでる方がとても多いので、自分が元気にやってる姿をお見せすることができるかな」
狙うは支配下、その先にある1軍舞台
ただ、あくまでも目指すのは1軍本拠地のエスコンフィールド北海道だ。「1年目の段階で支配下登録を勝ち取って、2年目からしっかり1軍で活躍したい。自信はあります」と青写真を描いた。
第2の〝ひろとら〟として奮闘を決意する常谷(左写真)