【一問一答】郡司裕也 信頼してくれた新庄監督とともに日本一へ「使い続けてくれたので今の結果がある」
打撃練習をする郡司=撮影・松本奈央
勝負強いユーティリティープレーヤー
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が6日、報道陣の取材に応じ、レギュラーシーズンの総括、ポストシーズンへの意気込みなどを語った。今季は規定打席到達こそ、かなわなかったが、打率.297と3割に迫る数字をマーク。3度のサヨナラ打を記録するなど、勝負強さが際立ったシーズンとなった。自身への信頼感を強く感じている新庄剛志監督(53)に日本一をプレゼントすべく、11日から始まるクライマックス・シリーズへと挑む。一問一答は以下の通り。
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―今季は最後まで優勝争いを繰り広げ、2位という結果。率直にどんなシーズンだったか
「2024年も2位だと思うんですけど、昨年の2位とはすごく気持ちが違うというか。昨年の2位は、かなりやりきった感があった2位だったんですけど、今年はすごく悔しい思いが残った2位だったので。同じ2位でもこんなに違うのか、と思いましたね」
―昨年は13.5ゲーム差。今年は4.5ゲーム差とかなり差を縮めた
「縮まっているとは思うんですけど、正直、優勝まで手が届きそうだったので。もちろんホークスの強さもありますけど、僕らが目の前で(白星を)落としてしまったな、という思いはあります」

―優勝に足りなかったものは
「挙げたらたくさんあると思うんですけど、ホークスの戦いぶりを見ていると、随所に強さを感じますし。打つべき人が打って、支える人が支えて、抑えるべき人が抑えたという。普通といえば普通なんですけど、その普通のことが普通にできていたのがホークスだったなと思います。細かいミスも本当に少ないですし、もっと突き詰める部分が僕らにもあったかなとは思っています」
―ソフトバンク戦には独特な空気があるか
「今年は特に。開幕からずっと意識してきたチームですし、本当に独特の雰囲気で、ピリピリした中で試合をしていたという感じですね」
―個人成績では、2年連続の2桁本塁打と、自己最高打率の.297をマークした
「打率にしても、OPSにしても、かなり良い成績を残せたかなとは思っているので、自信になる部分はあるんですけど、規定打席には届かなかったので、またこれが来年以降の課題というか、目標になってくると思います」
―好成績を残せた一番の要因は
「常に自分のできる仕事は何かな、というのを考えて打席に立っていましたし、今できる最善のことを続けた結果かなとは思います」
―今季はエスコンで3度のサヨナラ打をマーク。ここ一番での勝負強さの要因は
「なんとなく打席に立っていないというか。これをやってはいけないとか、これを打ちたいとか、こうしなければいけない、というのを本当に常に考えながら打席に立っているので。それがチャンスであればあるほど、向こうはピンチなので、良い方向に向いているんじゃないかなと思っています」
4月11日の西武戦、延長十二回2死二塁、サヨナラ弾を放った郡司
―打席で考えるというのは、今季、特に意識したことなのか
「いや、これは昨年からずっと続けていることではあるんですけど。去年も打席に立たせてもらって、経験値もだんだん積めてきましたし、そういう経験が生きてきている部分もあると思います」
―守備ではキャッチャー、ファースト、サード、レフト、さらにはセンターと、さまざまなポジションを守り、新庄監督も評価していた
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「本当は固定されてずっと出るのがもちろん良いとは思うんですけど、僕の立場とかチーム状況を考えた時に、いろいろなポジションを守るのは、今年は最善だったかなと思います。そこを評価していただけるのは、すごくありがたいことかなと思います」
―攻守で活躍を続けてきたが、一番、記憶に残っているプレーは
「やはり4月の代打サヨナラホームラン(4月11日の西武戦)が、今年は印象的だったかなと思います。4月はなかなかバッティングの状態が上がらなかったんですけど、ああいうサヨナラ打があったおかげで、打率の割に印象が良かったので。それも1年間、保てた要因だなと思っています」
―今季の成績はあのホームランも一つのきっかけになっているか
「そうですね。前半のサヨナラ打がなければ、試合で使ってくれていたかな、というのもありますし。僕はいったいどこで試合に出るんだ、という不安の中で1年が始まって。キャッチャーがやりたいと言うしかないな、と思って1年が始まったので。だからああいう一打を打てたことが、後々に効いてきたかなと思っています」
―ヒーローインタビューでは郡司語録でファンを盛り上げた。一番、印象に残った語録は
「なんでしょうね、ちょっとありすぎて(笑)。でも一番、印象に残ったのは、やっぱりケンティーさん(中島健人)が来ていた時(5月15日のオリックス戦)に、ヒーローインタビューに立てることの運というか、ビッグゲストが来た時に活躍できる強運を持っているかなと思っています」
5月15日のオリックス戦、中島健人(左)によるヒーローインタビューに答える郡司(右)
―きのう、新庄監督が来季も指揮を執ることが正式に発表された
「5年目ですかね。僕は4年目になりますけど、ボス(新庄監督)を優勝監督にしたいという思いは、みんな持っていると思いますし。僕自身、ボスに無理やりサードで使ってもらったりとか、打っていなくても使ってもらったりという感謝はすごくあるので、ボスを優勝監督にしたいという思いは僕自身、強く思っています」
―新庄監督とともに戦うクライマックス・シリーズ(CS)。ファーストステージへの意気込みを
「リーグ戦の優勝は逃してしまいましたけど、まだまだ日本一になれるチャンスは残っているので、自分のできる役割を常に考えて戦っていきたいなと思います」
―残り1週間弱での調整ポイントは
「僕は昨年のCSでノーヒットに終わってしまったので。今現在はバッティングの状態が悪いわけではないので、なんとか継続できるように。紅白戦とかも含まれているので、実戦の機会をしっかり生かしながら、状態を保てればなと思っています」
―ファイナルでソフトバンクが待ち構えている。昨年のリベンジを果たしたいところ
「昨年のペイペイドームのCSは、あっという間に終わってしまって、あまり記憶がないので。エスコンでマリーンズに勝った時に、ちょっと燃え尽きてしまった感が正直あったので、今年はもう1個、その先のホークスを。しっかりファーストステージを勝ち上がって、またホークスとバチバチやり合えればと思います」
―昨年の経験は今年に生かせそうか
「そうですね。僕自身も、プロに入ってから一発勝負というのはなかなか経験してきていなかったですし。たぶんみんなもそうだと思うんですけど、今年に必ず生きてくると思います」
―ファンも大航海がまだまだ続くと信じている。ファンにメッセージを
「大航海はいろいろなことがありましたけど、日本一になれば良い航海だったと言えると思うので、それを目指してやっていきたいなと思います」
―序盤にヒットが出なかった時の話があったが、抜け出せたきっかけは
「あの時、ボスは打率を見るなと常に言ってくれていましたし、打てなくてもスタメンで使ってくれたりとかしていたので、それに応えたいな、という思いが一番ですかね」
―その時は焦りを感じていたりもしていたか
「なかったと言えばウソかもしれないですけど。1本出さなきゃ、というよりは、いつか出るだろうと思っていたので、焦りというよりは、不安の方が大きかったですかね。いつ出るのかな、みたいな方が大きかったですかね」
―調子が良くない中で、打席に立たせてくれた新庄監督からの信頼を感じていたか
「それはすごく感じましたし、本来、鎌ケ谷で調整してこい、と言われるぐらいの打率でもあったと思うので。それでも使い続けてくれたので、今の結果があると思うので、本当に信頼していただいているな、というのを感じながら野球をやらせてもらっていました」

―ユーティリティープレーヤーに活路を見いだしたきっかけは
「やっぱり昨年、ボスが無理やりサードで使ってくれたことが一番だと思います。守備がめちゃくちゃうまかったら、どこか1カ所で固定されると思うんですけど、そうではないので。ユーティリティーという、便利な言葉を使わせていただいているので、やるしかないというか、そういう気持ちでやっています。来年からどうなるか分からないですけど」