代表選出のスパチョーク 母国とクラブに注ぐ熱意「見せる姿の全てが大事。それがタイのレベルを上げる」
アジア杯予選のタイ代表に選出されたMFスパチョーク。タイの至宝はサッカー熱の高まる東南アジアで存在感を示すつもりだ=撮影・宮西雄太郎
■10月2日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は2日、札幌市内で第32節・山形戦(4日、プレド)へ向けて全体練習を行った。前日1日にアジア杯予選のタイ代表選出が発表されたMFスパチョークは「代表も大事だけど、僕の仕事にはリーグ戦も残っている」と、代表とクラブの双方で躍動することを誓った。

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母国の誇りを胸にタフなシーズンを駆け抜ける。9日と14日に行われる台湾戦のメンバーに選ばれたタイの至宝は「選出されると毎回、すごく光栄に思います。サッカー選手である以上、代表は最上の舞台。本当にうれしいです」と代表活動に懸ける思いを口にした。
イラク戦での激しい乱闘で傷跡残る 原因は札幌OBチャナへの…
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笑顔を絶やさず常に穏やかな男が、9月7日のイラク戦では闘志をむき出しにした。札幌OBのチャナティップが悪質なファウルを受けた際には、スパチョークがいの一番に相手へ詰め寄り激高。両軍が入り乱れる乱闘に発展し、その左耳付近には引っかかれた傷跡が残った。
「100%で挑んでいる中で相手のファウルの仕方が、あまりにもいただけなかった。戦う気持ちと怒りの気持ちが混じって、そういう行動に出ました。(傷は)今はもう大丈夫です」

近年、東南アジアのサッカーはかつてない盛り上がりを見せている。タイの最大のライバルであるインドネシアは2026年ワールドカップ出場の可能性を残しており「(出場国の枠が増えて)W杯に出たことがない国のチャンスが増えているので、そこは見どころです。できればタイが1番最初に出てほしいけど、現実を見るとインドネシアが1番近い。同じ東南アジアとして、今は応援しています」と熱の高まりを感じ取る。
外国人枠が拡大したタイの国内リーグにも好選手と資金が集まり、「レベルはすごく上がってきています。タイ人の選手は頑張らないと試合に出られないと自覚しているし、競争率が高まって楽しくなっていくと思います」と母国の現状を語った。

空前のサッカーブームに沸く東南アジアのレベルをさらに引き上げるため、スパチョークは代表活動とJリーグ両方での活躍を誓う。「日本のリーグはタイより優れているので、自分が見せる姿の全てが大事になる。代表に合流するときはタイでプレーしている選手に日本やJリーグで学んだことを伝えている。模範になろうと心掛けているし、それがタイのレベルを上げることにつながると信じています」
代表同様の熱い思いを、クラブにも注ぎ込む。台湾との2戦目を終えた翌日には日本へ戻る予定で、シーズン残り全7試合の出場を目指す。「POの可能性が残っている。自分たちを信じてハードワークして良いプレーを見せたい。可能性を信じて精一杯頑張ります」。人一倍の覚悟を胸に、ピッチ上を縦横無尽に駆け回る。
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