浅間大基 リハビリ中の〝親友〟に伝えた愛あるメッセージ「調子が良い時こそ…」
九回2死二塁、サヨナラ打を放ち、清宮幸(手前左)と喜ぶ浅間=撮影・松本奈央
■パ・リーグ20回戦 ロッテ7-8日本ハム(9月20日、エスコンフィールド北海道)
乱戦に終止符を打つサヨナラ打
日本ハムの浅間大基外野手(29)が劇的な代打サヨナラ打で長い試合に終止符を打った。5点リードを追い付かれ、7―7で迎えた九回裏2死二塁。「ああいう場面は、考えても打てない。自分を信じて割り切って、本当に甘い球だけを待っていました」。ロッテ・横山が投じた全球にスイングし、カウント0―2からの4球目を捉えた。打球が前進守備の外野を越え、左中間で弾むと、ベンチから一斉に仲間が飛び出してきた。
「意外と(代打での出場を)言われたのは急でしたけど、体はずっと裏で動かしていました。出るとしたら代打かなと思っていたので、準備はしっかりできていました。ちょっと詰まったんですけど、(外野が)前に来ていたので、なんとか越えてくれ、という感じでした。(サヨナラの瞬間は)よく分からない感じになっていましたけど、本当にあの瞬間は最高だなと思います」
九回2死二塁、浅間がサヨナラ打を放つ=撮影・岩崎勝
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親友は言う 「あいつの活躍は驚くことではない」
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〝活躍して当然〟と、周囲に思わせるだけの準備をしてきた。
同学年で互いに「親友」だと認め合う福田は、15日に昇格してからの浅間の活躍を「大基なら、普通です。あいつが活躍するのは当たり前です。妥当です。やることをやって、努力してきているのを見ているので。試合終わりが遅くても、その日にやることはちゃんと、ウエート場とかでやっていますし、良くなるためにどうしたら良いか考えて、時間を惜しまず使って、練習している。だから、あいつの活躍は驚くことじゃないです」と言い切った。
九回2死二塁、サヨナラ打を放った浅間
忘れられないゲキ
今季序盤、原因不明の神経痛に悩まされ、長くリハビリ期間を過ごした福田に、浅間は愛あるメッセージを送っていた。
「あいつ(浅間)には、治療のことだったり、リハビリ中の過ごし方だったり、いろいろ教えてもらいました。覚えているのは『調子が良い時こそ、調子に乗らない』と言われたことですね。リハビリをしていて『きょう(患部の)調子が良いかもという時に、ガってやり過ぎると、また痛くなったりするよ』と」。人一倍、けがに泣かされてきたからこそ、友の苦しさを理解しつつ、時にはブレーキを踏むことの大切さを説いた。
中身もイケメンな背番号8
プライベートでは、クールに見えて面白く、良いやつだ。福田が証言する。
「基本、面白いので、やつ(浅間)は。浅間くんは基本、良いやつです。リハビリ中に、治療法を紹介してくれたこともありました。あと、2人で車に乗っている時は、基本、僕が運転するんですけど、助手席でゲームとか始めてくれます(笑)。思考一致ゲームみたいなやつとか。例えば、『給食といえば』みたいな。それをせーので言い合って、一致させるゲームをやったり。盛り上がりますよ。迎えに行った時には、いつもスタバを買ってきてくれていたり、良いやつなんです」

後輩スラッガーは打撃技術に感服
持っている実力を考えれば、シーズン通して1軍で活躍するべき選手。ただ、2軍生活が長引いても、後輩の手本となる振る舞いを忘れたことはなかった。
仲が良い山口アタルは「2軍の試合後に、浅間さんと一緒に手投げを打つ練習をやってもらったことがあったんですけど、やっぱり、浅間さんはすごくて。打つタイミングとポイントが、本当に安定しているんです。そういうのを近くで見せてもらって、自分もバッティングをしているので、めちゃくちゃ勉強になる。本当に良い練習になっていると思います」と感謝していた。

逆転Vへ欠かせないピース
置かれた状況で、常に最善を尽くしてきた。浅間はこの日、後輩の万波、水谷、野村が外野で先発出場する中、ベンチで虎視眈々と準備していた。
「(試合に)出ていても出ていなくても、いろいろ(後輩たちに姿を)見せられたり、声をかけられたり、いろいろできることはたくさんあると思うので、そのへんは抜かりなくやっていきたいなと思います」。奇跡の逆転優勝を狙う今、1軍に浅間がいることの意味は、とてつもなく大きい。
