《岩本勉のガン流F論》短期決戦で勝てるチームを模索するべきタイミングに来ている
■パ・リーグ24回戦 日本ハム2-3ソフトバンク(9月18日、みずほペイペイドーム)
荷が重かった八回の古林
八回に尽きる。疑問が残る起用と言わざるを得ない。1点リードで古林をマウンドに送った。負けられない一戦。誰もが分かっている。そんな重圧のかかる―、いや、これほどのプレッシャーはないだろう。そこを、けが明けで、この日1軍に昇格したばかりの古林に託した。
新庄監督は彼のポテンシャルを信じたのだろう。だが、ハッキリ言って荷が重いだろう。
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期待を寄せても頼りにしてはいけない
ルーキーと、けが明けの選手は、期待を寄せても頼りにしてはいけない。私はそう思う。1軍で数試合に登板し、納得のいくパフォーマンスを見せていたなら別だ。または点差。4点リードといった展開ならば納得もいく。いずれにしても古林にとってはタフすぎるマウンドとなった。
栗原に手痛い一発 宮西ならば…
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まだまだ経験豊富なピッチャーはベンチにいた。宮西や玉井、田中もそうだろう。彼らとの違いが出たのは1死後だ。栗原への初球。ストレートを本塁打にされた。宮西ならば、初球はボール球から入っただろう。それだけ慎重にならなければいけないシーンだった。宮西が時折、ボール球を先行させるのはそういうこと。決してコントロールを乱している訳ではない。修羅場をくぐってきた左腕。場面場面の重要性を理解しているからこそなのだ。
その後、古林はヒットと申告敬遠、四球で満塁とし、マウンドを田中に譲った。決勝点は田中の押し出し四球。だが、勝負はその前に決していたと言えよう。
堅実なプレーこそが相手への最大のプレッシャー
首位のソフトバンクとは4.5ゲーム差。優勝マジックは「7」となった。数字上、逆転優勝の可能性は残っている。だが、両手を広げて「チャンスはまだある!」と声高に宣言するつもりはない。
解説者としては現実を見たい。短期決戦で勝てるチームを模索していくべきタイミングにも来ている。これが現実だ。ペナントレースばかりに、しがみ付いていれば、クライマックス・シリーズ(CS)で気後れ、出遅れを喫してしまう。
そして、大味な野球では勝ちきることはできない。堅実なプレーこそが相手への最大のプレッシャーになる。