上原健太 連夜の好リリーフ 近藤を三振に仕留めて2カ月越しのリベンジ「それしか頭になかった」
七回を無失点に抑え、先発の北山(右)とタッチを交わす上原=撮影・小田岳史
■パ・リーグ24回戦 日本ハム2-3ソフトバンク(9月18日、みずほペイペイドーム)
堂々の火消しぶりを披露
日本ハムの上原健太投手(31)が1点リードの七回1死一、二塁の場面で2番手登板。近藤からリベンジの空振り三振を奪うなど、ピンチを無失点で切り抜けた。
前夜の楽天戦に続く連投ながらも、再び好リリーフを披露した。
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北山と交わした〝約束〟
長打で逆転という場面でマウンドを託された中、最初に向き合った周東に死球を与えてしまい、ピンチは満塁へと拡大した。
だが、上原の胸の中には強い思いがあった。「北山がマウンドを降りる時に、すれ違いざまに『お願いします』と言ったので、『じゃあ抑えてくるわ』と(伝えて)。言ってしまったからには、抑えなきゃなと」
七回を無失点に抑え、先発の北山(左)とタッチを交わした上原=撮影・井上浩明
自身も納得のボールで雪辱
熱い思いを持って上がったマウンド。1死満塁から近藤、そして牧原大を続けて空振り三振に仕留めた。
「どんどんストライクゾーンに投げていくことが、まずは大事なことなので、それがしっかりできたのと、真っすぐに張っていても前に飛ばさせないような真っすぐ(を投げる)というイメージを持って。そういうイメージで僕は投げていたので、そこはイメージに近いボールが投げられたのかなと思います」。前夜に仙台の地で披露した好投劇を、この日は博多の舞台で再び演じてみせた。
その中でハイライトと言えるのが、近藤との対戦だ。7月30日にエスコンで行われたソフトバンク戦。同点とされた直後の八回1死二塁の場面で、同じく北山の2番手としてマウンドに上がった。この時には2死を取った後、2ストライクからの3球目のシュートを近藤に痛打され、逆転を許していた。

近藤から告げられた言葉
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その翌日、グラウンドで近藤と言葉を交わした際に、伝えられた。「近ちゃん的には、あそこでフォークを投げていたら三振していたわ、と。3球シュートでいっているんですけど、それがどういうふうなボール(に見えた)だったとか。あまり僕はバッターに対して、どういうボールだったか聞くことがなかったので、そういうふうに見えているんだとか、そういう感じなんだというのは、初めて聞きました」
勝負球に選んだのは〝その〟フォークボール
あれから7週間。上原の脳裏には、その時の悔しい記憶がよみがえっていた。「もうそれしか頭になかったですね。あの時もマウンドの上から、ベンチの北山の表情を見て、なんとかしようと思っていたんですけど、できなかったので」
同じく2球で近藤を追い込むと、ウイニングショットは、近藤が口にしていたフォーク。空振りで三振を取って、あの日のリベンジに成功した。「(リベンジを)しっかり果たせたかなと。北山も最優秀防御率が見える位置にいるので、1点を守り切るのは非常に大きなこと。そこは良かったかなと思います」
七回1死満塁、ソフトバンク・近藤から三振を奪った上原
決して諦めない逆転V
チームは続く八回に逆転を許し、直接対決で痛恨の敗戦。ゲーム差は「4.5」に広がり、逆転優勝への道のりは、より一層、厳しいものとなった。だが、それでも上原は前を向く。
「きょうの負けは結構きついですけど、まだマジックが0になったわけじゃないですし、優勝が決まったわけではない。まだマジック7。何があるか分からないので、最後まで諦めずに。またこういう場面で投げると思うので、そういうイメージをしてやっていきたいなと思います」。ブルペンを支える大型左腕はまだまだ闘志を燃やす。
七回2死満塁、ソフトバンク・牧原大から三振を奪い、ほえる上原