斎藤友貴哉 ブルペン談議は〝不参加〟 代わりにやっていることは
六回に2番手で登板し、無失点に抑えた斎藤=撮影・松本奈央
■パ・リーグ23回戦 日本ハム1-3オリックス(9月6日、京セラドーム大阪)
主導権握って1回3者凡退2K
日本ハムの斎藤友貴哉投手(30)が同点の六回に2番手で登板し、1回3者凡退2奪三振の快投を見せた。21試合連続無失点と記録を伸ばしたが、チームは敗戦。「すごく自分主導で攻められた」と投球内容に手応えを感じながらも、「でも、チームが負けちゃったので。 次にしっかり準備して臨みたいなと思っています」と次戦に気持ちを切り替えていた。
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どの展開、どの点差でも
今季の斎藤は、勝ちでも負けでも、どんな点差でも登板する。出番が読みづらく、難しい準備を強いられるが「どの展開、どの点差でもしっかり、100%の準備をする。自分的には、あんまり点差は関係なくマウンドに立つことがベストなので。それで、チームが勝てば最高なので」と力を込めた。
最速160キロを誇る豪腕のスタンバイは独特だ。リリーフ投手たちは通常、ブルペンで試合展開を見ながら、ときに仲間同士で相談し合って、自分の出番を予測する。しかし、斎藤は違う。「(他の中継ぎ投手は)先発ピッチャーの球数をいろいろ見て、そういう話はしているんですけど、その話の場にはたぶん、自分はあんまりいないんです」。
六回、2番手で登板した斎藤=撮影・井上浩明
あえて、出番の予測はしない。「ある程度、この回かな、とかは思うんですけど、基本的には次いくよと言われたときに、しっかり体を温めて、特に予測はしていないです」。いつ呼ばれてもいいように、集中力を保つ方法は〝ブルペン散歩〟。「ずっと、一人で歩き回っています」。足をリズムよく動かしながら、好投のイメージを膨らませている。
非常時に見せた人間性 先輩も感謝
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優しく、少し天然な性格は、チーム内でも愛されキャラ。人間性は特に、非常時によく出る。前日5日は大雨の影響で、東京から大阪への新幹線移動に約7時間かかった。車内に缶詰となり、水も買えない状況。すると、困っている先輩左腕が目に入った。
「宮さん(宮西)が、水分を欲しがっていたので、持っていた水をどうぞとあげました。たまたま、僕は水を2本買っていたので」。宮西が感謝していたことを伝え聞くと「本当ですか? 良かったです。いつもお世話になっているので、そのぐらいは」とにっこり笑った。
六回を無失点に抑え、清宮幸(右)とタッチを交わす斎藤
新庄監督からの助言で変わったこと
最後の失点は、6月28日の西武戦。もう2カ月以上、「0」を並べ続けている。以前は新庄監督から「ノミの心臓」と認識されていたが、今はマウンド上で風格が出てきた。「新庄さんに、自信を持ってマウンドに立てというのは言われているので。マウンドに立ったら、堂々としろと言われているので、その言葉はすごい大事にしてマウンドに立っています。マウンド上では、『ゆっくり動いて、堂々と』というのはすごい意識しています。結果はもちろんありますけど、その前の準備を含め、マウンドでのメンタリティも含め、しっかりできている結果かなと思っています」と胸を張った。
チームは移動のアクシデントもあり、3位のオリックスに2連敗を喫した。ソフトバンクに4ゲーム差をつけられ、優勝へ向けた厳しい戦いが続く。暗いムードになりがちだが、そんなときこそ、雰囲気を明るく変えられる斎藤の力が必要だ。

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