コンサドーレのスキップ阿部「このチームとしての最終決戦」 11日からカーリング日本代表決定戦
日本代表決定戦に臨むコンサドーレの選手たち=撮影・西川薫
12月に五輪出場の世界最終予選
2026年イタリア・ミラノコルティナ冬季五輪男女4人制カーリング世界最終予選(12月、カナダ)に出場する日本代表決定戦が、今月11日から稚内・みどりスポーツパークで開幕する。24年の日本選手権で優勝している男子のコンサドーレは3日、札幌市内で練習を公開。チーム最年長でサード兼スキップの阿部晋也(45)は4年に一度の大一番へ、意気込みを語った。
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先に3勝したら日本代表へ
いよいよその時が迫ってきた。超短期戦で行われる代表決定戦。「同じチームとずっとやる形なので、そこは結果に一喜一憂せず、しっかり5戦のうちの3勝を目指して戦うっていう心構えで臨みたい。仕上がりは、まずまずのところにはきてると思いますし、全然心配はしてない。あとは良いコンディションで挑めるか、良い心の状態で挑めるか、この1週間の過ごし方はすごく大事。その時点、その時点で集大成めいたものにはなってくると思うけど、今このチームで挑むオリンピックの挑戦っていうところでは、このチームとしての最終決戦じゃないですけど、そこに向かっていっている感じ」。五輪ロードの最終コーナーが、もうそこまで迫ってきている。
決戦に向けて調整するコンサドーレのスキップ・阿部
イタリア開催のW杯で手応え
過密日程の中、8月28日から五輪開催の地・イタリアのトレンティーノで行われたW杯に出場。2勝2敗で予選リーグ敗退となったが「全然通用しないわけではないです。願わくばプレーオフまで行きたかったけど、(勝敗は)タイで帰って来られたのは、結果としては良い最後のツアーの締められ方ができたかな」と、手応え十分に帰国した。
世界トップと戦って肌で感じたこと
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今季のW杯初戦では、いきなり今年の世界選手権準優勝で、現在世界ランキング2位のスイスチームと対戦し、3-10で完敗。「名実ともに世界のトップと戦うには、このスタイルじゃダメだなとか、どこまでリスクを背負うかとか、もう少し考えなきゃいけない。もちろん頭では理解していたけど、肌身で触れてやった時に感じることがあったのは良かった。ある程度、相手に合わせる部分も僕らは得意というか、そういうスタイルでやってはいますけど、それだけじゃなくて、強引に行かなきゃいけないところももちろんあるし、どのタイミングで(仕掛ける)とか、まだまだ対戦相手を考えて、対戦相手をよく知ってプレーしなきゃいけない」。世界を見据える上で、これまでの戦い方に変化を加える必要性を感じた。
五輪代表決定戦に向けて調整するコンサドーレの選手たち=撮影・東倫太朗
若手の成長がチームの伸びしろに
数々の修羅場を乗り越えてきた経験豊富な司令塔だ。チームは18年の平昌五輪後に発足。22年北京五輪は、前年12月の最終予選で惜しくも出場を逃した。そこから清水徹郎(37)を残し、メンバー3人を入れ替え、若返りを図った。「僕らが長きに渡って積み上げてきたものを若手がどんどん吸収してくれている。それがそのまますぐチームのパフォーマンスに反映されるってところでは、同じレベルが集まってきたチームより相乗効果が生まれやすい。これが3年前の今の形ができあがったときと比べたら、だいぶ違うと思う」。若手とベテランの力がうまく融合している。
盟友との約束
23年にコーチに就任した盟友・敦賀信人さん(47)との約束を必ず果たす。1996年の日本選手権では、網走南ケ丘高1年の阿部らが常呂高3年の敦賀さんと組んだチーム「アイスマン」が優勝したが、2人は98年長野五輪出場を逃した。その後は同じチームでプレーすることはなかったが、阿部が「三顧の礼」でコーチに引き入れた。
「チームに対して一番大きな出来事だった。それぐらい影響がありますし、経験してくれていますし、なかなかいないタイプの指導者。もちろん本業(漁師)があるので、フルタイムでというわけにいかないけど、それでも忙しいなか、僕らに使ってくれる時間ってすごく多い。非常に頼りになりますし、敦賀コーチがいなかったら、今ここにいないんじゃないか」
コーチと選手、立場は変わったが、10代から目指し続けてきた夢舞台の切符をつかむまで、ともに戦い続ける。
五輪出場という目標に向かって共闘する敦賀コーチ(左)と阿部
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