冬季スポーツ
2024/02/04 18:15

【カーリング】コンサドーレがSC軽井沢クを下し、3年ぶり日本選手権優勝

優勝したコンサドーレ=提供写真©JCA/H.IDE

■日本カーリング選手権大会(2月4日、札幌・どうぎんカーリングスタジアム)

▽男子決勝 コンサドーレ8-3SC軽井沢クラブ

3月30日から世界選手権

 新旧が融合した新生コンサドーレが日本一に輝いた。コンサドーレは0-1で迎えた第3エンド(E)に2点を奪い逆転に成功すると、続く第4Eは3点をスチールし一気に試合の主導権を握った。その後も点差を広げ、8-3で逃げ切った。3年ぶり4度目の優勝を飾った。3月30日から行われる世界選手権(スイス)の出場権を手にした。

決勝含む6戦全勝の日本一

 1次リーグから5戦全勝で決勝に進むと、最後は前年王者のSC軽井沢クを下しての完全優勝を果たした。サードでスキップを務める阿部晋也(44)は「今週の勢いをそのまま決勝に持ってこられた。新しい体制での優勝。今年はチームになって戦えた」。阿部とフォースの清水徹郎(35)のベテラン組と、リードの敦賀爽太(21)とセカンドの大内遥斗(21)の若手組が見事にかみ合い、チームで成し遂げた日本一となった。

敦賀信コーチ(奥)と抱き合う阿部=提供写真©JCA/H.IDE

 

敦賀信コーチの加入でベテラン陣の負担軽減

 敦賀爽と大内が2022年夏に加入し新体制で動き始めた。「準備期間」(阿部)だった昨年度の日本選手権は3位。大会後、阿部は「素直に評価してもいいんじゃないかなと思います」と一定の手応えをつかんでいた。さらなる成長を遂げるために、長野五輪で日本代表のスキップを務めた敦賀信人氏(46)をコーチに迎えた。敦賀信コーチは就任を悩みながらも「阿部選手を世界の舞台に連れていきたい」との強い思いから、阿部を支えることを決めた。

阿部「選手として専念できた」

 これまで阿部と清水は若手を指導しながらプレーしており、自ずと負担が大きくなっていたが、敦賀コーチの加入で一気に解消された。阿部が「敦賀コーチが入ってくれて、僕とテツ(清水)から責任、重圧を取ってくれて、選手として専念できた」と話すと、清水も「コーチからの目線で新しいアドバイスをもらえたのが大きい。その結果が若手2人のいいパフォーマンスにつながった」と振り返った。当の敦賀信コーチは「昨年5月に加入して、前年度3位という成績。それ以下にならない結果を出せてホッとしています」と胸をなで下ろした。

ショットを放つフォースの清水=提供写真©JCA/H.IDE

 

清水「(メンバー替わり)実質初優勝」

 大内と敦賀爽にとっては初の決勝。未知の舞台だったが、大内は「初の決勝で勝つことができた。チーム感が今年は出た」、敦賀爽は「2シーズンかけて教わってきたことを出せた」とチームの一員として勝利に貢献した。清水は「メンバーが替わった中なので実質初優勝に近い。このチームでここまで来られたのはすごく良かった」と喜んだ。

 日本選手権で優勝したコンサドーレは世界選手権に出場する。ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場枠を懸けた争いでもある。日本の五輪出場枠は今年と来年の世界選手権で獲得したポイントで決まる。阿部は「すごく楽しみな舞台なんですけど、懸かっているものが大きい」と力を込めた。ミラノ五輪に一歩近づいたコンサドーレ。ライバルたちの思いを背負って、世界に挑む。

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