冬季スポーツ
2024/01/27 22:30

コンサドーレに敦賀信人コーチが加入 96年に阿部晋也とアイスマンで日本カーリング選手権V

長野五輪戦士の敦賀(左)が今季コーチに就任。スキップ阿部と〝アイスマン〟を再結成=撮影・西川薫

28日から日本カーリング選手権

 2026年ミラノ・コルティナダンペッツオ五輪への競争が本格化する。1月28日からカーリングの日本選手権が札幌で開幕する。前日27日には各チームのスキップによる前日会見が行われ、男子で昨年3位のコンサドーレは1998年長野五輪日本代表の敦賀信人氏(46)をコーチに迎え、3大会ぶり4度目の優勝を狙う。

大会Vで選考レース有利に

 今大会を制すれば、日本代表選考レースで頭1つ抜け出すことが出来る。スキップの阿部晋也(44)は「今季はコーチに敦賀信人さんを迎えて、新しい体制でポジション変更を行ってやってきました。ツアーでは勝ったり負けたりで常にいい状態ではいられなかったんですけど、この年末年始にいい準備できたと思ってます」と静かに闘志を燃やした。

阿部が何度も常呂に行き説得

 〝三顧の礼〟で最高の〝軍師〟を味方につけた。常呂ジュニアのコーチが21ー22年シーズンで区切りがついた翌春、阿部が敦賀にコーチを依頼。敦賀は「正直、初めはちょっと断ってたんです。家業もありますし、ジュニアの子たちを見終わって1年経ってちょっとゆっくりしたかった。何回も断ってたんですけど、常呂まで足運んでいただいたので」と熱烈オファーに悩んだ。

 最終的な決断理由は98年長野五輪まで遡る。96年の日本選手権で常呂高3年の敦賀と、 網走南丘高1年の阿部らが組んだチーム「アイスマン」が優勝。しかし、チームから2年後の長野五輪日本代表に選ばれたのは敦賀と佐藤浩(46)の2人だった。「どっかで、その恩返しはしたい」と、常に胸の中に抱いていた。

敦賀「自分が力を貸せるのも最後かな」

 コンサドーレは19年から21年まで大会3連覇。しかし、21年12月の北京冬季五輪最終予選を突破できず、涙をのんだ。敦賀は「阿部くんがオリンピックに行ってくれれば、僕もものすごくうれしかった。自分が力を貸せるのも最後かなって、微力ながら阿部くんにどこまでできるか、チームにもどのぐらいできるかわかんないですけど」とコーチ就任を受けた。

昨季の日本選手権は3位

 選手は阿部と清水哲郎(35)のベテランコンビと22年北京五輪後に加入した大内遥斗(21)、敦賀のおい・爽太(23)の4人。新体制で挑んだ昨季の日本選手権は3位。敦賀コーチは爽太について「ジュニア時代、僕が教えてるチームとよく決勝で当たったり、甥(おい)っ子のプレーを見る機会がたくさんあったんですけど、まさか一緒のチームでプレーするとは思わなかった。でも、そこはコーチと選手の立場でもありますので。若くてもろさはありますけど、これからの伸び代もものすごくある若手2人の活躍によってどんだけ強くなるか、そっちの方が楽しみ」と期待を寄せる。

四半世紀を経て再び共闘する敦賀と阿部

 札幌が拠点のコンサドーレだが、漁の合間を縫ってまとまった時間が取れれば、北見から練習に参加。昨年11月には海外遠征に10日間帯同した。阿部は「僕がめっちゃ楽になった。今までは選手ですけど、いろいろ若手に教えるみたいなスタンスでいたところもあった。今季に関しては全部背負ってくれているので自分のプレーに集中できている。あと、ひと言かけてくれるタイミングとかがもうめちゃくちゃ適切で、いいタイミングでいつも言ってくれる。コーチ以上の存在になってる」と絶大な信頼を置いている。四半世紀を超えて、再び交差した2人の運命。今度は最後まで同じチームで五輪の夢を突き進む。

あわせて読みたい