孫易磊 レイエスからの励ましに「その言葉通りだとは思わない」
6回無失点と好投した孫=撮影・近藤裕介
■イースタン・リーグ12回戦 オイシックス1-7日本ハム(9月2日、鎌ケ谷スタジアム)
本領発揮の6回2安打無失点
台湾の至宝は2軍にいても歩みを止めない。日本ハムの孫易磊投手(20)が先発し、6回2安打無失点の快投で1軍再昇格をアピールした。
前回8月23日の巨人戦(鎌ケ谷)では五回途中5失点(自責4)と乱れたが、中9日できっちり復調。「一、二回はボールが高かったんですけど、三回からは修正できて、調子が上がってきました。まあまあ、良かったんじゃないかなと思います」と笑顔を見せた。
【ファイターズの最新記事はコチラ】
三塁を踏ませず来日最多97球
9月に入っても鎌ケ谷は猛暑だった。それでも、南国出身の右腕は最後まで疲れを見せず、自己最多となる97球を投げきった。
「体は全然、大丈夫。きつくなかったですね」。直球とチェンジアップのコンビネーションを軸に、オイシックス打線を翻弄(ほんろう)。三塁を踏ませず、実力を見せつけた。

1軍マウンドでは喜びも悔しさも
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
来日2年目の今季は飛躍の年だ。5月に支配下昇格を果たすと、ここまで1軍で8試合に登板。一時は勝ちパターンの一角を任され、1セーブ4ホールドを記録している。
一方で、悔しさも味わった。2点リードの八回に登板した6月10日のヤクルト戦(エスコンフィールド)では、制球が定まらず2連続四球で降板。直後に2軍降格が決まった。再び1軍に戻り、プロ初先発した8月11日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)は、四回途中2失点で負け投手となった。
レイエスから受けた言葉とは…
初めて2軍降格を告げられた時、チームの主砲・レイエスから励ましの言葉をもらった。
「『どんな選手だって、毎日、良い結果が出せるわけじゃないんだ。俺だって、三振、三振、三振、それでも、あしたホームランが打てればいい。だから、またあしたから頑張れ』って、言ってもらいました」
感謝しつつも自分を貫く

温かい言葉に、もちろん感謝した。ただ、うのみにはしなかった。
「僕は、レイエスのその言葉通りだとは思わない。きょうがダメでもあした抑えればいい、とは思わないです。そんなにチャンスは多くないので。そうやって励ましてもらいましたけど、僕はその1回の失敗もないように、こだわってやっていきたいと思っています」
目指すは1軍再昇格
強い覚悟を持って海を渡った若武者は、先輩からの優しいメッセージに甘えることなく、自分の未熟さと向き合ってきた。
次のチャンスは、もう逃さない。