日本ハムは22日、2024年シーズンから育成選手として所属していた孫易磊投手(スン・イーレイ、20)と、支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は96。同日、エスコンフィールド北海道で行われた記者会見には、新庄剛志監督(53)も同席。〝台湾の至宝〟と呼ばれるMAX157キロ右腕への期待を語った。記者会見での一問一答は以下の通り。
―(冒頭、自ら日本語で)
「皆さん、こんにちは。私は日本ハムファイターズ、背番号96番の孫易磊です。よろしくお願いします」
―流ちょうな日本語であいさつをしていたが、いつ頃から練習していたか
「(日本語で)日本に来てから、(日本語の練習を)始めました」
―支配下登録を勝ち取った心境は
「(話を聞いた時)最初はちょっと緊張していたんですけど、その後はすごくうれしくて。早くここ(エスコン)に来たいと思いました」
―いつ、どのような形で伝えられたか
「(鎌ケ谷での)ウエートトレーニングの途中で、間の休憩で言われました」
―何日前のことか
「おとといです」
―伝えられた時はうれしかったか
「(日本語で)はい、すごくうれしいです」

―会見場には家族も来ているが、何か言葉はかけられたか
「実は、家族は僕よりも先に知っていたので。(家族が)北海道に来たのも、(自分が)来てから知ったので」
―2軍で防御率1点台と結果を残してきた
「全部の試合で、自分のリズム、自分のテンポで投げられたので。データの方はあまり意識していなかったです」
―新庄監督へ。以前から支配下登録をすぐにでもしたいと話していたが、このタイミングになった経緯は
新庄監督「ポイントは、5月11日に古林が完封します。そのタイミングで、その次の登板で、易磊がどのようなピッチングをするかなというのを楽しみにしながら、ファームの試合を見ていて。5回⅔を3安打で抑えてくれた次の日から、通訳さんに、支配下登録をするとは言っていないんですよ。プレゼントがあるから、待っておいて、ということを伝えて。で、球団の吉村(本部長)さんに、恐る恐る易磊を支配下にしたいと。『まだ早い』と言われるかなと思ったんですけど、吉村さんから『選手の人生を変えるタイミングは、新庄監督が間違えることはありません。よろしくお願いします』と言われた時に、よし、と思いましたね」

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―古林が先発する日に会見を行うというのは、何かあるのか
新庄監督「古林がきょう投げるというところで、易磊にはこの日、古林が8回を投げて、九回を易磊で抑えて、そのウイニングボールを受け取って、ヒーローインタビューの場所で、両親に渡してもらえたらいいな、というビジョンはすごくあります。(突然)ダメだ!。古林がノーヒットノーランしていた場合だけは、あした投げてもらいます(笑)」
―今の話を聞いてどう思ったか
「僕が投げないように、古林にノーヒットノーランしてもらいたいと思います(笑)」
―古林の活躍を2軍で見ていて、刺激を受けていたか
「台湾での投球より、日本に来た方が良くて。すごく良い先輩です」
―日本に来てからの古林のピッチングは、どのあたりがすごいと感じるか
「日本に来て、たくさんの良い選手と会って交流してから、投球スタイルをちょっと変えています」
―新庄監督へ。孫は〝台湾の至宝〟とも言われている。どんな選手になっていってほしいか
新庄監督「まずは、(チームの)先発がものすごく多いので、中継ぎのリレーをさせておいて、ゆくゆくは先発に戻ってもらい、球界トップの先発投手になってもらえたらうれしいですね」

―野手から投手一本に転向してから、まだキャリアが浅いが、日本ハムに来て特に伸びたなと思うのはどんなところか
新庄監督「バッティング見ていないんですよね。(山崎)福也くんぐらい良かったら、期待しますよね」
―二刀流の可能性もあるか
新庄監督「あるかもしれない。そういうチームなので」
―自身のストロングポイントは
「メンタル面ですかね。自分のメンタルにすごく自信があります」
―将来的にこんなピッチャーになりたいという理想像はあるか
「特に想像してはいないですけど、自分らしく投げていきたいと思います」
―新庄監督へ。孫が将来的にどんなピッチャーになっていくと想像しているか
新庄監督「古林と競争しながら、最低でも15(勝)は勝てるピッチャーになると思う。古林と最多勝争いをしてもらえたらうれしいですね」
―古林の活躍もあって、台湾からも注目されている
新庄監督「ゆくゆくは台湾チームになるんじゃないかな(笑)」

―台湾、そして日本で活躍を期待するファンに向けてメッセージを
「いつも応援してくださる皆さん、本当に感謝しています。これからもっと良くなるので、楽しみにしていてください。よろしくお願いします」
―メンタル面が武器という話をしていたが、具体的には
「いつでも、どんな状態でも、ストレートを投げられる自信があるというメンタルのイメージですね」
―メンタル面以外の持ち味は
「ストレートの質です」
―加入2年目の5月での支配下登録。イメージ通りか
「去年の状態でしたら、少し早かったかなとは思うんですけど、今年の頭から、今年はあるかなとは感じていました」
―ファンからは何と呼ばれたいか
「易磊と呼んでください」
―新庄監督からの「プレゼントがある」というメッセージは、最初はどのようなプレゼントだと思ったか
「何か物かと思ったんですけど、(1軍登板の)試合が当たったという感じですね」
―今年の頭から支配下登録の予感があったと言っていたが、うまく調整ができていたということか
「そうですね。オフシーズンの時に、良いトレーニングをできていたので。シーズンが始まっても、自分のテンポで投げられていました」
―昨年の自分と比べて、一番良くなった部分は
「フォームがすごく安定していて、自分の体を起こすやり方が習得できました」
―来日してから球速はどれぐらい上がったか
「MAXは更新していないんですけど、アベレージは3から4(キロ)ぐらい上がっています」
ブルペンで投球練習をする孫
―新たに習得した変化球は
「カーブを覚えました。スライダーも良く磨けました」
―ストレートの平均球速は
「去年は(1)45~6ぐらい。今年は48~9、50ぐらい。(登板した)イニングが短かったので」
―オフシーズンのトレーニングでは、具体的にどういう部分を向上させたか
「自分の元のフォームを取り戻せるトレーニングをやりました。去年のフォームに関しては、感覚的にあまり良くなかったですね」
―漫画「はじめの一歩」が好きとのこと
「(日本語で)好きです」
―好きなキャラクターは
「(日本語で)(主人公の幕之内)一歩」
―登場する中で好きな技は
「(デンプシーロールの動きをしながら)これです。日本語が分からなかったです(苦笑)」
―漫画は全巻持っているか
「漫画は読み切れなかったんですけど、アニメの動画を見ました」

―いつ知ったのか
「小学校2年生で。8歳」
―台湾でアニメが放送されていたのか
「はい」
―ボクシングが好きなのか
「好きですよ。できないですけどね(苦笑)」
―幕之内一歩のどんなところが好きか
「苦しい時に踏ん張れるところが好きですね」
―自身と重なるところもあるか
「重なりたいですね」
―新庄監督は、まずは中継ぎでと言っていたが、どう受け止めているか
「渡された仕事をしっかりやるので。初めて1軍の舞台、プロの舞台で投げるので、先輩の方々に、中継ぎの投げ方をよく聞きたいかなと思います」
―古林からは声をかけられたか
「ありました。(きょうの朝に)おめでとうございますと言われました」
練習に合流し、日本ハムナインから歓迎を受ける孫