細川凌平 2軍で奮闘中 信頼を寄せるメンタルコーチとの週1回セッションが大きな支えに
九回、先頭でセーフティーバントを決めた細川=撮影・中田愛沙美
■パ・リーグ13回戦 西武7-4日本ハム(8月26日、鎌ケ谷スタジアム)
3拍子揃ったユーティリティープレーヤーが存在感
日本ハムの細川凌平内野手(23)が「6番・二塁」でフル出場。二回の第1打席に左前打、九回には捕手前に転がすセーフティーバントを決めるなど存在感を見せた。
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相手守備の変化を見逃さず
3点ビハインドの九回、先頭で迎えた第4打席。カウント2―1となり、細川は相手のポジショニングが少し変わったことを見逃さなかった。
「サードがその前よりは、ちょっと後ろに下がったので。チャンスあるなって。勝つために、3点差なのでアウトにならないことが大事。何がなんでも(塁に)出たかった。確率高い(プレー)のを選ぶのが野球。そういうプレーをできて良かったです」。得点にはつながらなかったが、チャンスメークした。

1軍から遠ざかること3カ月
プロ5年目の今季は5月上旬に1軍初昇格。6月2日に出場選手登録を外れてからは、2軍での生活が続いている。さまざまな思いを抱きながら、目の前の試合に全力を尽くしている。
「1軍でプレーするのが一番ですし、優勝争いしている中にいきたいですし、そこにいれない悔しさ、もどかしさはあります。でも、今できることは、上の首脳陣に『細川、必要だな』と思わせられるプレーをすること。自分がコントロールできることではないので。上(1軍)への思いは強いですけど、こっち(2軍)でも技術アップのために、監督やコーチがサポートしてくれる。いい時間になっていると思います」
もともと興味があったメンタルトレーニング
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週1回のセッションが、気持ちを前向きにさせてくれる。3年目が終わった23年オフから、メンタルコーチのサポートを受けるようになった。もともと、メンタルトレーニングについて興味があり、自身も本などで勉強。独学で知識を深めてから、専門家を頼ることにした。
「今はいろんな感情を味わうっていうことをテーマにしています。例えば、おいしい気持ちを獲得したいから、そのご飯を食べる行動をする。食べるから、おいしいじゃなくて、おいしいを感じたいから、食べるの順番だと思う。それを意識して行動しています。打てなかったら悔しい、悔しい思いをしたくないし、うれしい思いをしたい。そのために準備をする。うれしい気持ちを取るために、何をしないといけないか考えています」

メンタル9割、技術1割
メンタルコーチとは、休日の朝に30分ほどオンラインで言葉を交わす。日々の振り返りは自分1人でもできるが、言語化することで新たな発見も生まれてくる。
「1軍に上がれるとか、上がれないとか、先を見ずに。もちろん上がりたい気持ちはあるけど、上がれるか上がれないかを考えるのではなくて、2軍は2軍で試合があるから目の前に集中する。きのうは休みだったので、その週の振り返りと、そこからどうつなげていくかとか。今週は『今、ここに集中』がテーマです。メンタルコーチの存在は結構、大きいですね。すごく信頼しています。感謝しかないです。その人との合言葉はメンタル9割、技術1割。どこにいてもやることは一緒です」。1軍でも2軍でもやることは変わらない。確固たる信念を持ち、細川はグラウンドに立っていた。