JR北海道クラブが5年ぶり東京ドーム行き切符【都市対抗道地区2次予選】
就任1年目で、5年ぶりの都市対抗本大会出場を決め、胴上げされるJR北海道クラブの乙須監督=撮影・西川薫
■都市対抗野球北海道地区2次予選最終日(7月6日、札幌円山)
▽リーグ戦 JR北海道クラブ(3勝)12-0フェザーホームホーネッツ(3敗)
※七回コールドゲーム
3戦全勝で本大会出場決めた
勝てば自力Vが決まるJR北海道クラブは、投打がかみ合い七回コールドでフェザーホームホーネッツを倒し、2018年以来の3戦全勝で5年ぶりの本大会出場を決めた。打線が2桁安打の猛攻を見せると、先発の内沢航大投手(28)、大崎黎投手(25)が無安打継投でつなぎ、最後は前日の北海道ガス戦で1失点完投勝利した最年長のベテラン右腕・夏井康吉投手(32)が無失点で抑え、最優秀投手賞に輝いた。今春、元選手の乙須正太監督(42)が就任すると、内野の堅守構築に努め、今大会は3試合で2失策。守備からリズムを作り、17年のクラブ化後では5年ぶり4度目の本大会進出を決めた。本大会は8月28日から東京ドームで開催される。
優勝が決まり、マウンドへ集まるJR北海道クラブの選手たち=撮影・北村史成
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ルーキー監督が、北海道王座に4年間君臨し続けた北海道ガスの牙城を崩し、東京ドーム行きの〝特急切符〟をつかみ取った。6度宙を待った指揮官は「正直ホッとしてます。5年ぶりの出場を春先から目指してやってきました。選手と一緒に考えながら、どうやったら勝てるのかと話してきました。きょう実って本当にうれしく思います。道内の代表として出るので、去年北海道ガスさんが1勝挙げてますし、道内の社会人もまだまだ強いぞ、というところを全国で見せられれば。最高成績は(07年の)黄獅子旗(3位)、ベスト4。一戦必勝で1回戦突破を目指しながら、そこまでいければ。上位進出を狙ってます」と力を込めた。
乙須監督「胴上げ投手は夏井と決めてました」
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エース夏井が〝恩人〟と仰ぐ乙須監督に初陣初優勝をプレゼントした。乙須監督の現役引退と入れ替わりに入社。新さっぽろ駅での業務も引き継いだ。7日の北海道ガス戦の先発は、春先には言い渡されていて、エースは1失点完投で期待に応えた。そしてこの日、指揮官は「最年長だし、ピッチャーの中心で行こうと考えていたのと、10年目になるが一番練習するので、なんとかいい思いをしてもらいたい、と。最後は夏井、胴上げ投手は夏井と決めてました」と絶大な信頼を寄せる右腕に七回のマウンドを託した。
七回を無失点で締めたJR北海道クラブの夏井
この3日間で全て決まるくらい大事な大会
夏井は「社会人野球って、365日のうち結局この3日間で全てが決まっちゃうぐらい大事な大会。痛くても張ってでも投げなきゃいけないと思って、きのうから準備してました」。2死一、二塁から最後の打者を遊飛に打ち取ると、マウンド上で両手を広げてガッツポーズ。「胴上げ投手になるのは初めてなので、すごくうれしかったです。乙須監督は現役を退いてからも、声をかけてくださっていた。恩人というか、頑張れよ、って背中を押してくれた監督のために、という思いはずっとあった」。最後まで全力で左腕を振った。
最速は140キロながら、まだまだ進化を続ける。入社10年目。企業チームからクラブ化した経緯を知る数少ない投手。「ヒットは打たれても低めに丁寧に投げて、なんとかバッターに凡打してもらうのが、元々のスタイル。その中でも年を重ねていくごとに、技術的な引き出しが増えてきた、とここ数年特に自分で感じる。今まで以上に自信の持てる大会になる」と力を込める。
最後の打者を打ち取りマウンド上でガッツポーズをするJR北海道クラブの夏井(中央)
ベテランと若手の融合で上位目指す
5年前の東京ドームを経験していない選手が半分以上。ベテランの経験は代えがたい存在だ。「経験してないからこそ、知らない分、怖さがない分、勢いでいける部分はある。それが逆にうちのチームの良さ。そういうのを大事にしながら、自分は何回か経験しているので、伝えていければ」と、若手とベテランの力を融合し、さらなる高みを目指す。