フェザーホームホーネッツが2次予選進出 ロング救援の高橋大樹が4回0封【都市対抗道地区1次予選】
フェザーホームホーネッツのチーム最年長・高橋投手が3番手で4回無失点のロングリリーフで2年ぶりの2次予選進出を決めた=撮影・西川薫
■都市対抗野球北海道地区1次予選(6月22日、栗山町民)
▽2次予選進出決定戦 ウイン北広島2-3フェザーホームホーネッツ
新生ホーネッツが接戦制す
今季、ネーミングライツにより新体制になったフェザーホームホーネッツが、3-2でウイン北広島との接戦を制し、2年ぶりに2次予選進出を果たした。二回に7番・中島碧海捕手(21、白樺高)が1死二、三塁から先制の2点適時打を放つと、1点リードの六回から3番手でマウンドに上がったチーム最年長の最速147キロ右腕・高橋大樹投手(29、札幌大谷大)が4回無失点のロングリリーフ。21日の決定戦ではJR北海道クラブに1点差で敗れたが、北海道ガスに続き、3番手で2次予選に名乗りを上げた。最後の1枠は、23日に行われるウイン北広島とWEEDしらおいの勝者が手にする。
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大ケガにより一度は野球を諦めたリリーフエースが、最後の打者を捕邪飛に打ち取ると、両手を空に突き上げ、勝利の余韻を確かめた。4イニング投げて被安打2、無四球、6奪三振でシャットアウト。15日の室蘭シャークス戦に続き、今大会2勝目を挙げた。もしウイン北広島に負けたとしても、23日に最後の切符を懸けた戦いが残されていたが「1点差ゲームだったので、楽な場面ではなかったが、本当に勝つしかないので、全力を出しました」と、気迫の投球で1点リードを守り切った。
両手を上げ勝利を喜ぶ高橋投手
今春、ハウスメーカーのフェザーホームがネーミングライツについて、新体制になった。ところが、3連覇が懸かった開幕戦の全日本クラブ選手権北海道予選1回戦のトッキュウブルーローズ戦で敗退。スタートダッシュに失敗した。高橋はその試合、同点に追いつかれた四回から2回無失点に抑えたが、後続が打ち込まれ1点差で涙をのんだ。「全国大会には必ず行くぞ、というところで、先を見すぎた部分があって、足をすくわれた。一戦必勝、しっかり勝ち切ることをテーマに、クラブ選手権が終わってから3週間、チームでミーティングを重ねて意識を変えてきた」。チーム全体でネジをまき直し、都市対抗予選に突入した。
クラブ選手権の雪辱を都市対抗予選で
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1次予選では2回戦で7-4でトッキュウに雪辱。21日の決定戦では、敗れはしたもののJR北海道クラブに4-5と接戦に持ち込んだ。高橋はこの日を含めて4試合全て救援登板。12回1/2を投げて3失点の成績だ。「自分の役割としては、苦しい場面でのリリーフや、火消しが主なポジション。年齢的にもチーム最年長なので、自分のピッチングをしてチームを勝ちに導く」と決意表明した。
岩原監督が寄せる全幅の信頼
岩原旬監督(42)は「高橋に関してはチームの柱というか、本当に安心して見ていました。先発が崩れても高橋がいるという安心感がいつもあります」と、絶大な信頼を置いている。
札幌大谷大卒業後、WEEDしらおいに入団。ところが3年目に利き腕の右肩腱板を断裂する大ケガを負った。投手にとっては致命的。「医師から野球はもう無理、と言われた。続けられたとしても、投手は無理と」。一時は、右腕が肩の高さまで上がらず、日常生活もまともに送れない状態。「頭が洗えないとか、ご飯を食べようとする時も力が入らなかったり、という状態だったので、正直僕自身も野球はもう無理かな、と思い」退団を決意した。
一度は諦めた野球の道 リハビリ続けて光明が
一度は、野球に対する自分の心にふたをしたが、日を追うごとにあふれ出してきた。「白老時代に完全燃焼できなかったので、やりたいと。リハビリをした結果、続けられる状態になって、ご縁があって、ホーネッツさんから『ぜひ』と声をかけていただいた」。翌年の途中から、新天地で再びボールを握った。
まさにケガの功名だ。ケガ以前は最速が144キロ。「続けて出たわけではなくて、まぐれの1球ぐらいだった。基本的に試合も130キロ台後半くらいだったが、リハビリやトレーニングをした結果、去年147キロが出た。年齢に逆らって、年を重ねてからの球速アップ。150キロは目指したい」と大台突破も夢ではない。
成長続ける29歳「まだ2次予選で1勝もしてないので…」
2年前の2次予選は企業チーム相手に3戦全敗。高橋も3試合全てに登板した。「企業チーム相手の3試合に、しっかり自分のピッチングをすれば抑えることはできる、とその時に感じた。きょうの北広島さんもそうですし、前回の室蘭戦も冷静に自分のピッチングをすることだけ心がけて臨んだ。まだ2次予選で1勝もしてないので、2次予選で勝てるように頑張りたい」。成長を続けるベテラン右腕が、2次予選でも勝利のバトンをつなげる。
■二回に先制の2点適時打を放ったフェザーホームホーネッツの中島碧海捕手(21、白樺高)
「真ん中高めの真っすぐ。サイド(横手投げ)のピッチャーだったので、初球に真っすぐが来たら行こうと思ってました。今年からバットにグリップを巻き始めて、なんだか振りやすくなりました。今回は、室蘭シャークスに勝たしてもらって、昨日のJR北海道戦も良い試合をしたので、みんな自信持ってやっていけると思います。2次予選も勝ちに行きたいです」
フェザーホームホーネッツは二回2死2三塁で9番・中島碧海捕手が決勝の2点適時打を左前に放ち、投手陣を援護した