水野達稀 復帰即スタメンで2点二塁打 リハビリ中は子育ても 支えてくれる家族が励みに
三回2死一、二塁、適時二塁打を放った水野=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ12回戦 楽天1-7日本ハム(7月4日、エスコンフィールド北海道)
復帰戦で見せた持ち前の勝負強さ
日本ハムの水野達稀内野手(24)が今カードに合わせて1軍昇格し、三回に中堅フェンス直撃の2点二塁打を放った。
左ハムストリングス筋損傷の治療、リハビリを経て約1カ月ぶりに復帰。即スタメンで起用されると期待に応え、連敗ストップに貢献した。
胸に秘めた雪辱の思い
同じテツは踏まなかった。3点リードの2死一、二塁。早川の高め直球を振り抜いた。打球は伸びて中堅フェンスに当たり、2者が生還した。
「確か去年もけが明けで早川さんと対戦して。当時は打てなかった記憶があるので、勝手に燃えていました。きょうは絶対に打ってやろうと思っていました」と熱い気持ちをバットに乗せた。
三回2死一、二塁、水野が適時二塁打を放つ
見たか! 八木コーチ!
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
この日、1軍メンバー、スタッフと久しぶりに再会した。八木打撃コーチから「期待していない。こいつ、打たへんから」と冗談交じりにイジられていた。
これに奮起した。会心の一打で鼻を明かし「打った後はなんも言われてないです(笑)。でも、笑顔で迎えてくれました。いい意味で期待を裏切れて、良かったです」と口元を緩めた。
1軍に合流した水野(中央)
心の支えは「やっぱ子どもですかね」
6月1日に負傷で登録を抹消された。悔しかったが、戦列を離れている時の支えは「やっぱ子どもですかね」と明かした。昨年9月に第1子誕生を発表。リハビリ拠点となる鎌ケ谷には自宅から通うため、1軍に帯同している時よりも家族と過ごす時間があり「お風呂は入れていますよ。たまにですけど」と育児の一部を担った。
あらためて夫人に感謝&リスペクト
家を空けることが多い職業のため、子育ての経験は少なかった。「いつも嫁が寝かしつけをするんですけど、ぐずる時がある。一度『代わったるよ、風呂入ってきな』と、めっちゃ格好付けて言ったら、風呂から出てくるまでに寝かせることができなかった」と苦笑い。身をもって苦労を知り「すげえなと。同じ抱っこでも嫁がすると、すぐ落ち着くんです。まだまだというか、かなわないなと思いますね」と妻への感謝と敬意を口にした。
五回2死、楽天・ゴンザレスの打球を捕り、一塁に送球する水野
〝新米パパ〟が最高のリスタート
1軍に昇格する前、つかまり立ちができるようになった息子に、アンパンマンの乗用玩具をプレゼントしたという。
「車に乗せて押してあげたんですけど、まあ、喜んでくれなかったですね(笑)。怖かったのかな…キョロキョロしながらママを探している感じがした」とリアクションは想定外だったが「この期間、初めてパパしているなと思いましたね」と充実感をにじませた。
待ち望んだ1軍の舞台ですぐに輝きを放った水野。守らなければならない家族の存在が、戦う原動力になる。