《山口戦前日》仕組みもやり方も状態も、お互いに違う。別物の意識が強い《岩政Talk》
■7月4日、札幌・大和ハウスプレミストドーム
練習後の岩政大樹監督(43)の一問一答は以下の通り。
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―2度目の非公開練習。選手たちの動きは
「2度目で慣れてきたので、逆に言うと新鮮さがなくなっていく。2、3回ぐらいならまだ大丈夫。恋人同士と一緒です(笑)」
―山口の印象は
「監督が代わったので、どう来るか分からない。1戦目の通りに来る場合もあるし、2戦目で変える監督もいる。先入観を持たずに入りたい。必死に勝ち点を取りに来るのは間違いない。前節の熊本戦のように自分たちがある程度支配できたとしても、ギリギリの戦いになる」
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―シーズン序盤に負けた相手。意識は
「あると言えばあるが、ないと言えばない。プロの世界なのでシーズンダブルをさせたくないのは当然あるが、あのときとチームの仕組みもやり方も状態も、お互いに違う。別物の意識の方が強い。鳥栖戦は8月にありますが、この前当たったばかりなので多少参考になる。熊本も変わっていたので、そこら辺の情報は選手たちに多く伝えてないですね」
―札幌も序盤と状況は違う
「成熟はまだ先だと思いますが、チームとしての個性の組み合わせ方、それぞれの個性の発揮のさせ方は整理が付いてきた。天皇杯後の2試合は少し仕組みを変えた。僕はパズルを組み立てるような感じでチームをつくる。フレームワークを決めてやるよりも、おぼろげながらピースをあてはめて、固まっていくと絵が見える。そこまで行くのがいつも苦しいが、そこに行った感覚がある。選手たちも絵は見えていると思う。そこは非常に良い状態ですが、良いからといって勝てるわけではないのがサッカーの世界。勝たないと評価されない。僕たちが良いと言ったところで、あした勝てなければ誰も褒めてくれない世界ということを共有してます」
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―後半戦は最初の4試合を重要視しているか
「そこを特別視しているわけでなく、今治戦の前に中断があって、その後の(天皇杯を含めた)5試合が日程的にセットとなっている。また3週間の中断があるので、この5試合でパワーを思い切り出し切る。あと2試合。先のことを考えずにできるタイミングなので、全体の力の出し方を確認しています。どの試合でも勝ち点は3しかもらえないので、優劣を付けるタイプではない。次の試合が一番大事」
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―中山監督とは同学年。高校時代に対戦している
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「彼は山口のスターで、僕は無名高校。山口の中では雲の上の存在です。スーパースターじゃないと高卒でプロにはなれない。まして山口から高卒でプロになる選手は、ほとんどいませんでしたから。交友関係は当然ありますが、監督は対戦相手をそんなに気にしない。終わってから握手をするときに、また頑張ろうなっていうぐらい。フットボールを通して見ているので、試合中も相手のことは意識してない。この前の大木さんも長い付き合いですが、試合にはほとんど関係ないですね」
―高校2年時に県大会決勝で対戦している
「覚えてますよ。(多々良学園で中山と同期だった)高松がハットトリックをした。(高松)大樹と(中山)元気の2トップが強力でした。僕ら岩国高校には1つ上にJリーガーになった先輩がいて決勝まで行きましたが、行ってしまうと多々良にボコられるんですよ(笑)。ボコられ役を決める大会でした。あそこまで行ったのは思い出ですね。元気とは何度対戦したかな? 高校の時は3バックのマンマークでやっていたので、僕は元気に付いていく役だった。当時は全然レベルが違って、抑えられなかった。僕のレベルが低すぎて競争する相手ではなかった。アイツも僕のこと、眼中になかったと思います」
―散水車を導入した
「会見で伝えるのを忘れてましたね。僕がアウエーで来ていたときから、札幌のフットボールは、ボールをつないで大事にすると言っている割にはグラウンドに水をまいてなかった。(目標と実情が)リンクしないと感じていた。ここに入ってから聞いても、あまり水がまかれていない状態でサッカーをしていた。なんとかできないか?とクラブと話をしていて、そのタイミングでドームの新社長さんと食事をする機会があって、その場でお願いしました。僕がお願いしたというよりも、もともとクラブはお願いしていた。(トレーナーの)京谷と話をしていると山形が散水車を使っているが、何百万円かかると聞いていた。お金の問題を抜きにして、可能性を探れないかとドームに伺ったら、散水車は置いてあって使ってなかった(笑)。それで使いましょう、と。今治戦から試験的にアップ前にまいてもらった。そのときは効果が少なくて後半に乾いてしまった。熊本戦は3回まいてもらって球の走りが違った。うちのフットボールをするなら非常に重要なポイント。外の人には分かりづらいが、グラウンドは中の選手にとって非常に影響が大きい。開幕当初は(芝の状態が)あまり良くないことが多くて、J2ではそれを狙っているのかな?とも考えた。うちもドームは雪の影響で、最初は良くない状態で試合をすることが多かった。言い訳にするつもりはなかったので言えなかったが、夏になるにつれてグラウンドが良くなってきたことが勝ち点に影響している面はあると思う」
―選手の反応は
「それは全然違いますよ。ホームチームの権利があるので、チームによっては札幌を相手に球を走らせると困るので、水をまかないことがある。例えばバルサとやるスペインのチームは、みんなそうする。ホームが利になるグラウンド状況をつくるべきだと思うので、リンクしていないことが腑に落ちなかった。グラウンド状況が良くなったので、言い訳はできない。自分たちが目指すフットボールで勝ちきりたい」