高校野球
札幌旭丘が16年ぶり2度目の南大会進出 エースの門村亮汰が140球完投勝利【南大会札幌】

■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部予選(6月30日、札幌円山ほか)
▽Eブロック代表決定戦 札幌旭丘3-2札幌山の手
「クタクタです」
9回140球。最後まで投げ抜いた札幌旭丘の背番号1・門村亮汰投手(3年)は「クタクタです」。そう口にしながら、勝利の余韻に浸っていた。朝から降っていた雨も上がり、日が照りつけた第2試合。蒸し暑さの増したマウンドだったが、チームを16年ぶり2度目の南北海道大会に導く投球を披露した。
大量失点しても最後を託してくれた
今大会はここまで2試合に先発しながらも、不甲斐ない投球が続いていた。1回戦の石狩南戦は5回⅓4失点(自責1)。準決勝の札幌西戦は2回⅓5失点。それでも監督は大一番のマウンドを託してくれた。その期待に燃えないわけがなかった。「自分が1人で投げ切るんだという決意を持って投げ切りました」。190センチ、92キロの恵まれた体格で最後までスタミナが切れることはなかった。
監督の予想に反して計算通りの一打

さらにバットでも自らを鼓舞した。0-0の五回1死一、二塁。門村は外のスライダーを強くはじき返すと、打球はそのまま右翼の頭上を越える2点二塁打となった。元々、意外性のある打撃が持ち味で、宮田敏夫監督(60)は「当たれば飛ぶんですけど、なかなかその確率は高くない。たまたま振ったところに来てくれたのかな。良かったですね」と目を丸くしていた。しかし、そんな指揮官の見立てとは反して、門村は「1打席目に外のスライダーで見逃し三振してしまって、次はその球を打ってやろうと思って、打席に入る前からライト方向に流すイメージを持っていて、それを実現できて良かったです」と、まさしく計算通りの一打だった。