２軍ＤｅＮＡ戦（鎌ケ谷）で先発マスクをかぶった梅林には、とある〝ミッション〟が課されていた。「試合前に浅間さんから、きょうの試合は福さん（福田）を無失点で抑えさせること。とにかくそれだけを考えろって言われていました」。この日は、福田の約８カ月ぶりとなる復帰戦。同学年で、プライベートでも仲が良く、長引いたリハビリの過程も見てきた浅間らしい指令だった。

　福田はピンチを背負いながらも１回を無失点で切り抜けた。リードした梅林は「０で抑えられたので、ミッションクリアです。良かったです」と満足そうだった。

　さらに、女房役は気を利かせた。イニングを締めた最後のボールを、福田に手渡そうとした。しかし「（一塁手の）阪口からもらって、福さんにあげたら、『いらねーよ、恥ずかしいよ』って言われました」と断られた。そこで、方針を転換。「浅間さんにあげました。そしたら、うれしそうに『ありがとう』って言われました」。道産子左腕の復帰記念ボールはなぜか一度、浅間の手に渡った。

　ただ、最終的にボールは浅間から福田にプレゼントされた。梅林は首をかしげながら「福さん、僕からはもらわなかったのに、浅間さんから渡したら、ありがとうってもらっていたんですよ。もしかしたらあの２人、〝できてる〟かもしれないです。あやしい関係です」。何はともあれ、復帰おめでとうございます。