西野奨太 広がり続けるプレーの幅「より上へ行くにはボランチの方がチャンス」
ボランチを新たな主戦場に急成長を目指す西野(右)=撮影・宮西雄太郎
■6月24日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
チームの主力へと成長を遂げた道産子DF
北海道コンサドーレ札幌のDF西野奨太(21)が全体練習に参加し、フルメニューを消化した。
PK決着となった天皇杯・大分戦で120分を戦い抜いた背番号47は、中2日で臨んだ前節の21日・藤枝戦もフル出場し、勝利に貢献。主戦場になりつつあるボランチで確かな存在感を示した。

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収穫も多かった藤枝戦
この日の全体練習を終えた後も、西野は最後までグラウンドに残ってボールを蹴り続けた。
夏場の過酷な連戦で無類のタフネスさを証明し「意外に連戦の方が、体が動くこともある。終盤は話が違いますけど(笑)。富山戦で青木くんに言われたように頭を動かしていれば体はそんなにキツくならない。その言葉に立ち返って、準備の部分で一歩早くすることで体は持つと感じた。藤枝戦は吸収することが多かった」と確かな手応えを口にした。

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ナイター開催となった藤枝戦の前夜は「夜の試合なので、たくさん寝られるのでうれしかった。23~24時に寝て、次の日は11~12時に起きました。これで疲れがなくなります。みんな昼まで寝られず、途中で起きてしまうって言うじゃないですか? 自分はまだ若いなって(笑)。アラームをかけないで寝られるのが幸せです」と、ちゃめっ気たっぷりの笑みを浮かべて、爆睡調整の効果を強調した。

岩政監督も高評価するボランチ・西野
今季のリーグ戦でキャリア最多の13試合に先発出場する西野は、さらなる成長を目指してプレーの幅を広げている。本職はCBだが、6月の特別登録期間中に宮と浦上が加入した影響もあり、リーグ戦後半はボランチでの出場が多くなると見込まれる。
岩政監督は以前から「強度があってボールもさばける選手」とポジション適性を高く評価しており、本人もこのタイミングでの本格挑戦を前向きに受け止めている。
「CBの能力がすごく高い2人が来てくれた。声や統率力を出してくれて、自分は本当に役割を全うするだけになった。攻撃はシンプルにつなぎながら、守備では強度を高く、つぶしに行く。ボランチでは強みやストロングを安定して出せる。自分的にもCBとボランチのどっちだ?ってなることもあるけど、より上へ行くにはボランチの方がチャンスがあると思っている。でもCBを捨てたわけではないですよ」

手本はJ1柏に移籍したDF馬場
対人戦に強く、足下の技術も高い。そこにユーティリティー性が加われば、大化けする可能性は十分にある。新たなポジションでの躍動を狙う西野は、柏へ移籍した兄貴分・馬場のプレーを参考に急成長を狙っている。
「守備の強度は似ているけど、彼にはワンタッチでフリックして背後を狙ったりする攻撃時のパッとしたひらめきがある。攻撃力はバビーの方があるかも。そういうところは参考にしています」
全体練習終了後、前日が誕生日だった戸川コーチにウォーターシャワーを浴びせて祝福するDF西野(右)ら札幌の選手たち
J1復帰へ気合 「連勝しないといけない順位」
後半戦初戦で勝ち点3を得た札幌は、J1昇格を目指して白星街道を突き進む。
中心選手としての働きが期待される西野は「新加入選手が入って安定感が出た藤枝戦では、すごく手応えを感じた。(岩政)大樹さんは大型連勝が必要と言っている。連勝しないといけない順位でもあるし、それができるチームであることを試合でしっかり証明したい」。伸びしろたっぷりの21歳が、夏ドラマの主役を演じる。
全体練習終了後、前日が誕生日だった戸川コーチにウォーターシャワーを浴びせて祝福するDF西野(左から2人目)ら札幌の選手たち