元北照の河上監督が率いる札幌あすかぜ 初の単独出場 13人の教え子コーチがサポート【南大会札幌】
五回終了後、選手に指示を出す札幌あすかぜの河上監督(右から2人目)=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月23日、札幌円山)
▽Bブロック1回戦 札幌あすかぜ3-10北広島 ※七回コールドゲーム
※七回コールドゲーム
一回に幸先良く先制も悔しい逆転負け
札幌あすかぜが6季ぶりの単独出場。昨春、外部指導者として指揮官に就任した元北照の河上敬也監督(66)が単独チームでは初めて公式戦で同校の指揮を執った。
一回に3点を奪ったが、1年生中心の若いチームで3失策するなど悔しい逆転負け。指揮官としての同校初勝利は秋以降に持ち越しとなった。
復帰を決めた長岡 「甲子園に何回も行ってるすごい人」
この春、札幌北斗との連合チームを率いてベンチ入り。あすかぜの部員は9人ギリギリだったが、1年夏の大会を最後に、退部していた長岡宏紀主将(3年)が5月に復帰した。
長岡は「ちょっと調べてみて、甲子園に何回も行ってるすごい人なんだなって。1年っていう短い期間でやめてしまって、やっぱ悔いがあった。3年生で一回、始めて、その悔いをなくせるプレーをして終わろう」と復帰を決意した。
一回2死一、二塁、先制打を放つ札幌あすかぜ・長岡主将
笑顔で先制打&3点目のホームイン
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その長岡は5番で出場。一回2死一、二塁で中前に先制打を放って、チームを勢いづかせた。
「自分が決めてやるぞっていう気持ちで打席に入りました」。打席では終始、笑みを浮かべ「監督さんから笑顔の方がすごいポジティブになるって聞いたので、笑顔で打席に出席に立ちました」。中堅手が打球の処理に手間取る間に、一気に一走も生還。自身も二塁へ進み、後続の適時打で3点目のホームを踏んだ。
百戦錬磨の指揮官 采配ズバリ
北照の監督時代に甲子園で2度、8強入りを果たすなど、百戦錬磨の指揮官。立ち上がりの先制パンチを狙って打順を組んだ。
「点を取るのは初回しかないなと思った。3番、4番にランナーがたまったところで回せれば、得点も可能だろうと。初回はそれが見事、してやったり」。逆転負けを喫したが、確かな爪痕は残した。
ベンチからサインを出す札幌あすかぜの河上監督
名将の元に集った〝13人の刺客〟
躍進の裏側には、選手よりも多い「13人のコーチ」の存在があった。昨年冬から、北照時代の教え子がほぼマンツーマンで日替わりで指導に当たった。中には甲子園に出場したOBもいる。
試合前ノックを担当した市橋雄太さん(38)は、2005年の南北海道大会で、同期の加登脇卓真、1学年後輩の植村祐介との〝北照3本柱〟として躍動。準優勝を果たした。「見違えるほど変わりましたね。最初、見た時と全く違うし、きょうも一番、素晴らしい試合をしていた。良かった」と今後も恩師をサポートする。
試合前のノックをする元北照の市橋コーチ(右)
次に狙うは初勝利 手応え十分の敗戦
次のステップは初勝利だ。
「私たち監督、コーチ陣も、きょうの試合では敗れはしましたけれども、やればできるんだという自信にもなりましたし、選手たちもたぶんそう思ったでしょう。来年の夏はね、なんとか初勝利を目指していきたい。時間がないので、私も(笑)」。甲子園監督の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
札幌あすかぜの河上監督(前列中央)と選手、コーチら