〝ミラクル開成〟がチーム存続の危機 中高一貫化10年で部員12人 三崎主将「僕らが活躍すれば」

札幌支部予選が22日開幕
全国高校野球選手権南北海道大会の札幌支部予選が22日、札幌円山ほかで開幕する。各支部から南・北大会へとつながる〝2段階方式〟でのトーナメント戦は今年で最後。1988年の南大会でスーパープレーを連発して甲子園に初出場した〝ミラクル開成〟こと札幌開成は、24日の1回戦で札幌清田と対戦する。2015年から中高一貫校となり高校受験がなくなった影響で野球経験者の入学や入部希望者が減り、今年の部員は12人。3年生8人が引退すると4人しか残らず、チーム存続の危機にひんしている。今春、神奈川の強豪・桐蔭学園出身で大阪では15年間の指導経験もある友田哲平監督(40)が就任。夏の快進撃を目指し、部員集めでもミラクルを起こす。

昨秋は全道まであと1勝、春の大会は5季連続で初戦を突破した。三崎叶夢主将(3年)は「僕らは卒業後も応援したいので、チームがなくなってしまうかもしれない危機感はある。僕たちが中学生の時に、夏にサヨナラ勝ちした試合があって、ここでやりたいと思った。僕らが活躍すれば、今の中学生たちも野球を続けたいと思ったり、野球を始めてくれる子もいると思う。今年はできる限り目立って活躍していきたい」と、部の存続も懸けてラストサマーに挑む。
指揮官は元日本ハムの福田光輝を指導したことも
グラウンドには大阪弁がこだまする。この春、札幌開成に赴任した友田新監督は大阪出身。高校は神奈川の桐蔭学園へ進み、2年秋にベンチ入りも、センバツ甲子園に出場した3年春はアルプススタンドで仲間の勇姿を見守った。それから利き腕の左肩を痛めたこともあり、進学した同志社大ではプレーせず、中学時代に所属した東大阪淀川ボーイズでコーチとして指導した。当時の教え子には、元日本ハムの福田光輝(27、六花亭)がいた。
修学旅行の引率で訪れた北海道に好印象
同志社大では、社会科の教員免許取得後、保健体育の免許取得のため、さらに2年通った。卒業後は、激戦区の大阪の公立校で15年間、指揮を執った。戦績は「夏に1回勝ったぐらいですね。15年やってきた中で、12、3年は連合チームでした」。もっと単独チームで野球をやりたいと情熱を抱いていたが、「大阪で教員している時に、修学旅行で1回、北海道に来たことがあって、その時すごく印象が良かった。空気も自然もそうやし、人もね。そういう話をしていたら、家族も行きたいって」。骨を埋める覚悟で、妻と2女と一緒に北の大地へ移住した。