通信制の星槎国際帯広に軟式野球部 〝もう一つの甲子園〟目指し27日初陣
通信制の星槎国際帯広キャンパスに今春創部した、軟式野球部の部員10人=撮影・西川薫
指揮官は2019年北照夏の甲子園球児
通信制高校の星槎国際帯広キャンパスに今春、軟式野球部が誕生し、23日から札幌・つどーむで開催される全国高等学校定時制通信制軟式野球大会北海道代表決定戦に初出場する。部員は経験者2人を含む10人。監督は北照の外野手として、2019年夏の甲子園に出場した秦野恭太郎監督(24)。初戦は27日の2回戦。飛鳥未来と連合チームの勝者と対戦する。
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全国大会は通称〝もう一つの甲子園〟と呼ばれ、メイン会場は東京・明治神宮球場。2回勝てば全国切符が手に入る。元甲子園球児の秦野監督は「目指すところは、もちろん全国大会。ただ、僕たちもまだまだな部分が多いので、そんなに大きいことも言えないですけど」。まずはチーム結成初勝利を挙げて、勢いに乗る。
仲良くなった2人が「野球部作りたい」「俺も」
主将の佐藤陵生遊撃手(3年)は幼少期からサッカーに打ち込んでいたが、白樺1年冬に起立性調節障害を発症。毎日の通学が困難になり、同校に転入した。2年春、「最初に仲良くなった2人が野球をしていて、その2人が野球部を作りたいと話していた。『俺もやりたい』となって、3人で作ろうか、と。ちょうど秦野先生も、その年から赴任だったので、本気で集めてやろうと」と、野球部創部へ向けて動き出した。
秦野監督「まさか野球を星槎帯広でやるとは」
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秦野監督は中学時代、元ヤクルトの高梨利洋監督(51)、元巨人の高梨芳昌コーチ(54)が指導する、札幌の強豪軟式クラブチーム「T・TBC」でプレー。北照では2年秋にベンチ入り。3年夏の甲子園は背番号18でベンチ入りした。札幌国際大を経て、昨春着任。「まさか野球を星槎帯広でやるとは、正直思わなかった。野球をやりたい子がいる、ということがすごくうれしくて。その気持ちを尊重して、できるなら一緒にやりたい」と二つ返事で監督を引き受けた。
技術だけではなく日々の振る舞いの大切さ伝えたい
北照時代の教えは、技術よりも日々の振る舞い。甲子園も経験したが「甲子園に行けたことは、もちろんすごく大きかったんですけど、大事なのはそれまでの過程ですね。野球の技術だけじゃなくて、あいさつだったり、当たり前のことを当たり前にやる、ということを徹底して教わってきた。ポジションまでダッシュするとか、道具を大切にするとか。そういったところを強く教えてもらったので、今の子供たちにも伝えていけるように意識しています」
公式戦初戦でチーム結成後初勝利目指す
佐藤主将ら3人が中心となって部員集めに奔走した。今年5月、3年生が4人、2年生が5人、1年生が1人と10人集まり、大会出場のめどが立った。練習は週に3回。専用グラウンドはないため、河川敷や球場を借りて練習している。これまでに練習試合は2、3試合行ったが未勝利。初戦に勝利すればチーム結成後初勝利だ。佐藤主将は「自分は今からすごく緊張してますが、まずは部員全員で一丸となって楽しむことが大事。緊張して硬くなってしまったらダメなので。まずは初めての公式戦だし、全員で楽しんで、今まで少しずつやってきたことを全部出せれば。全国大会を目指してやりたい」。10人とルーキー監督の挑戦が始まる。