《荒木大輔のズバリ解投》ペナントレースの勝負どころは夏場 余力を残せているのは大きい
■セ・パ交流戦2回戦 日本ハム3-2中日(6月21日、バンテリンドームナゴヤ)
大きな価値がある〝一人勝ち〟
ファイターズにとって大きな接戦勝利となった。この日、パ・リーグのチームで唯一、白星を手にした。パが圧倒的な成績を残している今季の交流戦。勝利を重ねても、なかなかリーグ順位が変動しなかった。そういった意味でも〝一人勝ち〟には価値がある。
これで交流戦逆転Vの可能性も残した。優勝できれば、再開間近のリーグ戦にも弾みがつくだろう。
見事だった清宮の一発
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さて、この日の試合。投手陣が踏ん張ったのだが、まずは打線。一回に速攻で先制。そして七回、幸太郎(清宮)の一発も実に大きかった。1点差に迫られた直後に飛び出した。結果的にも1点差勝利。見事だった。
これまでタイムリーや犠飛は出ており、調子は決して悪くなかった。ただ、打球がなかなか上がらなかった。本塁打を欲しがりすぎ、調子を崩すのが怖かったのだが、この1本を良いきっかけにしてもらいたい。
降板が早く感じた加藤貴
先発マウンドに上がった加藤貴はいつもの調子。むしろ、七回途中での降板が早く感じてしまうぐらい、状態は悪くなかった。しかも白星も付いた。走者を残してマウンドを降りた。仮に勝てていなかったなら、本人にもモヤモヤが残ったはずだ。余力を残しての降板で、リーグ再開に向けてはプラスとなる。気持ち良く調整できるだろう。
14完投は素晴らしいのだが…
中継ぎ陣も接戦の中、それぞれが粘った。ここまで14完投は12球団で群を抜く。ぜいたくな悩みなのだが、リリーバーは登板間隔が空きすぎると、試合勘を維持するのが、難しくなるものだ。
ただ、ペナントレースの勝負どころは、やはり夏場以降。ここからは体力がモノを言う。先発した加藤貴もそうだが、余力を残しているという面では大きい。
リーグ再開に向けてプラス要素が多い日本ハム
苦しみながら、セーブを挙げた柳川も日々、貴重な経験を積めている。あらゆる要素をプラスと捉え、リーグ再開後はチーム一丸となって試合に臨んでいってもらいたい。