《平川弘のCool Eye》フェイントを入れるなら、きっちりGKを見ながらキックしてほしい
後半戦はホームゲーム全部勝つくらいでないと…
前半戦最後の今治戦は2-2のドロー。勝って後半戦の巻き返しにつなげたかっただけに、痛い勝ち点1となった。プレーオフ圏の6位磐田とは勝ち点差が10。現在13位の札幌は後半戦のホームゲーム(11試合)を全部勝つくらいのペースで行かないと、プレーオフ圏内に入るのは難しいだろう。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
今治戦では前節から4バックの3人が変わった。左のサイドバックはケガから復帰したDFパクミンギュだが、センターバックは最近加入したばかりのDF、宮と浦上を使った。守備の要と言ってもいいセンターバックを2枚同時に新しい選手に代えるのは異例だろう。経験のある宮と浦上とて、まだまだ周囲とのコンビネーションをとるのは難しいはず。だがゾーンで守る岩政体制の守備のはめ方はペトロヴィッチ体制のものよりベーシックなので、対応が可能だったと思う。
二人ともコーチングができるので、自分が「楽になる」ようなマークの受け渡し等で周りを動かしていた。2失点したが悪くはなかったと思う。4バックが固まってくれれば、MF高嶺をボランチで使えるので攻撃に厚みを出せる。
PK誘った近藤のすごいところは…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
しつこいDFに苦しんだが、同点となるPKを取ったMF近藤。相手DFも縦を切ってコースを読み対応してくるが、近藤のすごいところは体を入れられても諦めずにボールを突っつき前進するところ。ドリブルの仕掛けのところで、もう少し体の向きを内側に向けるだけでもDFの足は止まると思うが。そんなの関係なく強引に縦に行くのは若い証拠である。
そのPKを高嶺が蹴ったがセーブされた。助走でフェイントを入れGKを先に動かしたが、そちらの方に蹴ってしまった。跳ね返りのボールが高嶺のところにきたから良かったものの、GKを最後まで見る余裕がなかったのだろう。フェイントを入れるなら、きっちりGKを見ながらキックしてほしい。PKのバタバタを忘れさせた2点目のミドルシュート。高嶺がボランチの高い位置にいれば、これからも当然見られる光景であった。
前方へのパスミスなら修正可能
普通ならそのいい流れで終わるはずなのだが、まだ札幌は甘さが残っていることを感じさせる失点が残念であった。MF田中克幸が中盤で軽率なつなぎのパスミス。前方ヘのパスミスなら修正可能だが、横パスを引っかけられると失点のリスクは高くなる。すごいキラーパスが魅力の田中克幸だが勝負所で彼の甘さが出たシーンだった。